ウッド村での一日
俺とトルクは雑貨屋を出て歩いていた。
「リュウジさん他にいきたい場所はありますか?」
「特には無いけど、どこか人気の無い広い場所はあるか?」
「それなら村の裏にちょっとした丘があるよ」
「そこがいい、そこに行こう」
トルクが歩きだし俺はそれについていった。
※
俺はトルクに連れられ、村から二キロぐらい歩いた所で丘に着いた。
そこは、空気がよく、見晴らしがいい場所だった。
「うん。ここがいいな、トルク俺はここで、したいことがあるから、お前は村に戻ってお父さんの容体を見てきたらどうだ?気になってるんだろ」
「いいの!行っていいの」
「いいから行けって、俺はやりたいことがあるからここからしばらく動かないし、お前が居てみ暇するだけだしな。だから行って来い。用が終わったら俺も行くから」
「それじゃあ行ってくる。また後でね」
トルクは笑いながら走っていった。
「さて、俺はやることをするか」
※
俺が丘で作業を始めて三時間が経ったころ
「これぐらいでいいか、俺もトルクの父親に会いに行くか」
俺は立ち上がり、村に向かって歩き始めた。
※
村の人に聞き薬師の家の前に来た。
ノックをすると、老人が出てきて、トルクの父親の所へ案内した。
俺が部屋が入ってきたことに気づいた。
「リュウジさん来てくれたんだね」
と笑いながらこっちに来た
「トルク、お前の親父さんの容体はどうだ?」
「父さんの容体は、薬師の話では薬草のおかげで今は安定している。明日には目を覚ますってよ」
と横からジェルが話す。
「そうか、よかったなトルク」
「うん」
笑顔で元気よく、うなずく。
俺は病室の奥に入る。そこには、トルクとジェルと同じ栗色の髪をした、身長百八十八センチの優しそうな顔の男が寝ていた。
「この人がトルクたちの父親か?」
「そうだよ」
トルクが答える。
それからしばらく話をした。
「リュウジ君そいえば君は何所から来たんだい?トルクから聞いたのだが、君ろくな旅の装備を持っていなかったそうだが」
ちょっと戸惑いながら答える。
「えっとですね、俺は最近まで祖父と一緒に山で鍛冶師をやっていたんだ。そして最近、祖父が亡くなって、それでやる事がなくなったから、旅に出たんだが、家に旅の装備が無くてね、山を降りて買うつもりだったんだ」
「そうなんだ」
トルクはうなずく。
そんなこんなことを話をしてトルクの家に帰った。
※
「今日はうちに泊まっていけ、トルクを助けてもらった御礼もあるし」
ジェルが誘う、
「じゃあ、お言葉に甘えて」
そう言って、トルクの家に泊まった。