帰り道
久しぶりに京ちゃんと一緒に帰ることになった。
「ねぇ、京ちゃん!実は私、お化粧ちょっとしてもらったんだけど、どうかな?わかる?」
ちょっとは大人っぽく見えるかな?
『……お前、化粧とか似合わなすぎ』
思いっきり殴られたような痛みが胸にはしった。
「……あー、そ、そうかな?…ごめん、今日用事あったの思い出した!先、行くね。」
京ちゃんの前でなんて泣けない。
『え?お、おい!待てよ!』
後ろから京ちゃんの声がした気がしたけど、無視して帰った。
私って、何やってもダメなんだなー。
せっかく、久しぶりに一緒に帰れたのに。
「お世辞でも、可愛いっていってほしかった。」
そんなの言ってくれないのはわかってたけど…辛いよ。
ほんのちょっとは、期待してたんだけど、やっぱりだめだった。
「私ってば、何を期待してたんだろ。」
『千尋!!』
………え?
「な…んで?京ちゃん…」
『っっお前っ急に走るから、まじで焦った!』
どうして?
「私っ、先に帰るって言ったじゃん『嘘つけ』
ば、ばれてる!
『………俺が、あんなこと言ったから?』
「……………京ちゃんが言ったことは、事実だし!へこんでる私がおかしいんだ『じゃあ、なんで泣いてんの?』
…最悪、顔見られた。
「……一回ぐらい、京ちゃんに可愛いって言ってほしかったの…お世辞でも、良かったから」
『っお前、馬鹿じゃねーの?せっかく俺が我慢してたのに』
?なんのこと?
《ギュッ》
「へ、あ?京ちゃ…?『なんで化粧なんてすんの?可愛いすぎて、こっちの身が持たないっつーの!!』
今、なんて?
てゆーか、抱き締められてる!?
何でかは、よくわからないけど、京ちゃんに抱き締められるなんて、初めてで………すごく嬉しい。