好きな人
次の日になっても、昨日見たキスシーンが頭から離れなくて、涙が止まらなかった。
―in学校―
うわー、目腫れてる!
鏡に映る自分の顔をじっと見る。
…………可愛くない顔。
「もっと可愛い子だったら、京ちゃん、相手にしてくれたのかな。」
昨日、京ちゃんと一緒にいた人、凄く綺麗だったもんな。
「京ちゃん…あの人が、本命なの?」
きっとそうだよね。
邪魔者は私。
『あれー?京介の彼女ちゃんじゃん?うわー、大丈夫?目』
あ、この人昨日の………
「あ、すみません!…大丈夫です。」
最悪だ。
トイレで鏡なんて見てなきゃ良かった。
『いやいや、大丈夫じゃないでしょ!…ちょっとおいで』
……へ?
――10分後――
『できたーー!いやー可愛いなぁ!』
え、これどんな状態?
「あ、あの………?」
『いやぁ、本当は腫れてる目を隠すだけのつもりだったんだけどさ~~貴方肌綺麗だし、可愛いし、つい化粧したくなっちゃって!あ、でもナチュラルメイクだから!』
…………良い人だなぁ。
京ちゃんの周りにいる人達は殆どが、結構派手な人だったから、なんか特別な人なのかなって思ってしまう。
「あの、京ちゃんの事、好きですか?」
気づくと、無意識に言っていた。
『え?…うん、好き』
…………好き、なんだ。
じゃあ、何?…両思いって事?
「そ…なんですか。あの、ありがとうございました!失礼します。」
せっかく、化粧してくれたのに、泣きそうだ。
『……?大丈夫かな?』