目撃
「はぁーー」
私、今めちゃくちゃへこんでます。
『そんな男といつまで付き合ってるつもり?』
そう言うのは、親友の青木美海。
「いや、もしかしたら付き合ってなかったのかも。」
『はぁ!?あんた自分が何言ってるかわかってんの!?』
………自分でもよくわからないけど。
「少なくともさ、京ちゃんの中では私はただの遊び相手なんだよ。私が勝手に付き合ってるって思ってただけなんだよ、きっと。………ハハッ…バカみたいだよね私。」
『千尋?』
「私っ、告白したとき《いいよ》って言われて、舞い上がってた。もしかしたら、少しは京ちゃんも私の事好きでいてくれてるのかなって、勝手に思い込んでた。……でも、考えてみるとさ、私一回も好きって言われた事ないし、手だって握った事なかったんだよね。」
こんなこと、何で気づかなかったんだろう。
「最初から、私の一人相撲だったんだよ。」
本当、私は馬鹿だ。
『っ千尋にこんなこと言わせるなんて、まじでぶっ殺す!!!!!』
「美海、恐いよ」
ふと、外を見ると
……京ちゃんの姿が見えた。
さっきの女の子といるみたい。
それにしても、やけに距離が近いような…?
「っ!『あいつ!っっあ、千尋今の…「見ちゃった」
京ちゃんが他の子と仲よくしてるのは見慣れてたのに……キスシーンなんて、初めて見た。
どうしよう。
涙がとまらない。