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第6話 仲間になろう!④

「状況は知ってるだろ? あと一時間半で月が地球に落ちてくる」


 カイルの言葉に、ムーが困惑する。

 ――月の衝突の情報、何故彼らが知っている?

 ムーはハッとしてあたりを見渡す。通信機が床に転がっていた。


「奴らと話したのか! ガロン!?」


『あはは。彼らも月が落ちること自体は知っていたようですよ?』


 通信機越しに、ガロンが平然と言った。

 ムーは苦虫を潰したような顔で、カイルに向き直る。



「私たちが貴様の提案に乗る必要はない! そうだ、この世界が月の衝突で焼け野原になるなら、侵略の意味はもうない。我々は撤退する。イクリプスを壁にして私は帰らせてもらう!」


『あー、それ無理のようです』



 通信機越しに、ガロンが言った。



『月は隕石世界(カストレア)(ゲート)を押し広げながら、この世界を埋め尽くすでしょう……でも、それだけで止まりません。宇宙人世界(ヴァルグレイブ)(ゲート)を通じて私たちの世界をも蹂躙していくようです』


「なッ……いや、それなら(ゲート)を閉じて……」


『あのゲートは閉じれません』


「……だったら、そうだ、(ゲート)を二つ用意すればいい! 二つの(ゲート)を重ねて、月が我々の世界を素通りする構造を作るんだ!」


『実はそのくだり、一度やったんですよ。イクリプスを通すため、私たちの(、、、、)ゲートは(、、、、)拡張された(、、、、、)。あなたの案を通すなら巨大化した(ゲート)に合わせて、超巨大召喚陣……直径四キロの円を用意せねばなりません』


「直径四キロの円? なら問題ない! イクリプスが丁度そのくらいの大きさ……」



 ムーが頭を抱えた。




「どの道イクリプスが必要じゃないかッ!」




 カイルがムーを指さして、通信機に話かえる。



「ひょっとしてアイツ、面白い?」


『ちょっと』



 カイルがムーに握手を求める手を差し出す。



「そんなわけで、お前たち的にもイクリプスは守らないといけないわけだ。手を組もうぜ」



 ムーはカイルの手を突っぱね、不機嫌そうに鼻を鳴らした。



「我々と貴様ら原始生物との間で、対等な同盟が組めると思うな!」


『あ!』



 通信機の奥でガロンが驚いた声を出した。

 リシェルが首を傾げる。



「何かあったんですか? ガロンさん」


『通信です。今、仲間(リルケ)皇子(アゼル)との戦闘で死にました』



 沈黙が降りる。

 リシェルの身内が、ムーの仲間を殺した。

 同盟結成の交渉中に舞い込んだ情報としては最悪の部類だった。

 誰も言葉を発せられなくなる。


 沈黙を破ったのは、ムーが鼻を鳴らす声だった。



「我々と貴様ら原始生物との間で、対等な同盟が組めると思うな!」



 カイルとリシェルが顔を見合わせる。



「マジか、さっきの流してリスタートしてくれんの?」とカイル。


「こいつは交渉の余地がありますわぁ」とリシェル。


『想定よりちょろいですよ、ガンガン押していきましょう』とガロン。



 彼らはヒソヒソ話の体で会話していたが、声量的に、丸聞こえだ。

 ムーの身体は屈辱でピクピクと震えていた。

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