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18話

ザワザワとした教室の中で、ルカとソルが転入してきたことで、教室の雰囲気は一気に騒がしくなった。新しい顔に生徒たちの視線が集まり、ざわめきが広がる。


「ルカ王子だ…」

「相当強い魔力持ち主の…」

「パーティーでも城の行事も顔を出さなかった謎の…」


噂が飛び交う中、ある女子生徒が目を輝かせながら、後ろに控えているソルを指差した。

「ねえ、後ろに控えているルカ王子の従者のかた…素敵ね!」

「貴女、知らないの?彼、獣人のハーフよ。私はやっぱりシオン様一筋ね!」


「わ、私はルカ王子が素敵!でもソフィア様の元婚約者だし……やっぱりお二人は……先程見つめあってましたもの!運命的ですわね!」


その話題を耳にしたソフィアは、静かに教室の片隅に座っていた。彼女はルカが教室の中央に立ち、皆の注目を集める様子を見て、思わずため息をつく。


彼女とルカの視線が一瞬交錯したが、ソフィアはすぐに目を逸らした。


が、周囲は二人の運命的な再会だと微笑ましく見守っていた。


ルカは軽く口を開き自己紹介をする。


「ルカ・ベラズレルです。学園では階級など関係なく、気兼ねなく接してください。」


「……ソルです」


続いてソルも静かに自己紹介をし、

ルカはにっこりと微笑んで、どこか余裕のある表情を浮かべた。

その笑顔に、教室の女子生徒たちが息を呑んで見惚れる。その様子を見ていたソフィアは、呆れて口の端をわずかに引き結びながら、心の中で呟いた。


「女たらしな部分、似てるのね…」


そう言って、彼女は苛立ち少し顔を背けた。





バタバタと廊下を駆け抜ける音が響き、二人の男子学生が勢いよく教室に飛び込んできた。


「先生!セーフだよな!?」


一人はそばかすの顔をした、少し荒っぽい男子学生。彼が勢いよく叫んだその声に、教室の雰囲気が一瞬で変わる。


「また剣の稽古か。ジョズ、シオン、早く席につきなさい」



先生は少し呆れた様子で、でもどこか優しげに二人に注意を促す。ジョズと呼ばれた男子学生は軽く頭を下げると、すぐに自分の席へと向かった。


「先生、申し訳ございません、気をつけます」


「はは、シオン、君には期待してるからな」


しかし、私の目はその後ろに立っていたもう一人の男子学生を見て固まる。


ドクン、と急に胸の鼓動が高鳴る。


【シオン】


その名前が私の頭の中でぐるぐると回り、私は思わず固まってしまった。


シオン…!?

私がルナだったあの時、鏡越しで話をしていたあの秘密の友達が、目の前にいるのかもしれない。


その男子学生は、太陽のように輝く金髪を持ち、周りを明るく照らすような存在感を放っていた。まさに、あのシオン君……?いや、違う、そんなはずはない。


シオンと呼ばれる金髪の青年は私の方を見る。


彼のあの瞳、そしてその姿がどこか懐かしくて、確かにあの時のシオン君に重なって見えて……


胸がさらにドキドキと高鳴る中、私は思わず息を呑んだ。


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