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トラストゲーム  作者: 夜明空
第1章 追放ゲーム
4/13

第4話 次の裏切り者

ピロンッ!

皆のスマホが一斉に鳴った。題名には「投票の結果」と書かれていた。内容は…なんと、大久保叶が【裏切り者】だったというものだった。

「なんだと…!」

「まさか、本当に裏切り者だとは思いませんでしたね。」

俺と琴音は驚きの声を上げたが、他の生徒達はそれどころじゃないようだ。皆必死に誰が裏切り者なのか話し合っていた。そんな中で1人の女子生徒が声を上げた。

「そういえば、裏切り者が起こせる行動ってなんだったんですか?」

「それもそうだな…」

「あ!さっきのメールの他にもう1件メールが届いてます!」

俺もメールを確認すると、確かにもう1件メールが届いていた。題名は、「行動」だった。

「裏切り者は阿佐ヶ谷雄介を追放した…だと!」

「あらら、残念でしたね。」

琴音はクスクスと笑いながらそう言った。

まだ問題は残っている。それは4人の裏切り者は誰なのかということだ。

「それで?これからどうする?」

俺がそう聞くと琴音が答えた。

「そうですね……」

すると、市ヶ谷が声を上げた。

「なあ、四谷。お前裏切り者だろ?」

「なぜそう思うんですか?」

「だってお前、適当に1人追放してたまたま裏切り者だったからよかったけど、これで裏切り者じゃなかったらどうしてたんだ?」

「人狼ゲームでも、初日に適当な人に投票して処刑されることはありますよ。」

「そうか……なら、琴音。お前は誰が裏切り者だと思ってるんだ?」

俺がそう聞くと彼女は答えた。

「そうですね……皆さんの言動や行動を観察してみた結果、まあ、市ヶ谷君も怪しいですけど、追放対象は、豊田君。貴方だと思います。」

琴音はそう言うと皆一斉に豊田と呼ばれた男子生徒の方を見た。そして豊田は慌てた様子で弁明を始めた。

「ち、違う!俺はただ……」

「では何故貴方は先程から一言も喋らないんですか?」

「それは……」と言いかけたところで琴音が話を続けた。

「それに貴方は先程からずっとスマホを見ていましたよね?何か気になることでもあったのですか?」

琴音は豊田に向かって問いかけると、彼は黙り込んでしまった。そして暫くしてから静かにこう言ったのだ。

「分かった……認めるよ」

「……え?マジか……?」

俺がそう聞くと彼は小さく頷いて答えた。それを見た琴音が再び話を始めた。

「さて皆さん!誰が裏切り者なのか分かりましたよね!」

皆が一斉に豊田のスマホを見ると、そこにははっきりと書かれていた。"豊田雄介は裏切り者"と……。すると、琴音が皆に問いかけた。

「それで、誰が裏切り者か、お分かりになりましたよね?」

琴音の質問に皆は答えられなかった。すると、市ヶ谷が口を開いた。

「俺が悪かった。今回は豊田が認めたんだ。豊田に投票しよう。」

市ヶ谷がそう言うと他の皆もそれに賛成したようだ。

『時間だ。誰を追放する?』

ゲームマスターのアナウンスの後、皆が一斉にスマホを操作し始めた。投票の結果、豊田雄介が追放されることになったのだ。彼は無表情のまま学校の外に追い出されていった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。

少しでも面白いと思っていただけたら、ブックマークと広告下の星マークを★★★★★にしていただけると幸いです。

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