第3話 初めての追放
今回短めです。
「1人追放って…そんなのあんまりだ!」
琴音の提案に対して市ヶ谷は反対した。だが、琴音は全く動じずに話を続けた。
「大丈夫ですよ。別に追放されただけじゃ死ぬわけではありませんし」
「……分かったよ。それで誰を追放するんだ?」
市ヶ谷がそう聞くと彼女は少し考えてから答えた。
「そうですね……とりあえず最初は大久保さんでいきましょうか!」
そう言って指差したのは大久保叶と言う女子生徒だった。大久保は驚いた表情をしたが、他の皆は納得したような顔をしていた。
「まあそうですね。」と粋が言ったので俺もそれに賛成した。そして琴音が大久保に問いかけた。
「大久保さん、貴方は裏切り者ですか?」
すると大久保は俯いて黙り込んでしまった。そして暫くしてから小さな声でこう答えた。
「……私は……違います……。」
それを聞いた琴音は満足そうな表情を浮かべてこう言った。
「分かりました!あなたを追放します!」
「……え?」
大久保は驚いた様子で琴音の方を見た。だが、そんな彼女を無視して琴音は続けた。
「皆さん!大久保さんを追放してください!」
それを聞いた他の皆が一斉に賛成し始めた。俺も仕方なく賛同することにした。そしてついに、追放者を決める投票の時間になってしまった。
『時間だ。誰を追放する?』
ゲームマスターのアナウンスの後、皆が一斉にスマホを操作し始めた。投票の結果、大久保叶が追放されることになったのだ。彼女は泣きながら謝罪を繰り返していたが誰も相手にしなかった。そして、そのまま学校の外に追い出されていった。
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