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異世界に転生した私は猫である。  作者: 草川斜辺


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ライゼルでの仕事 その5

食事を終えると、ひったくりの「仕事」に戻る女のガキ。

さっきの3人のクソガキどもも通りにいる。私が切り裂いたベルトの代わりに紐で結んでいる。破けた服はそのままだ。女のガキはポケットを気にしている。私が取り返したお金を再度こいつらに取られないか気になるのだろう。


こいつらを見ていると、ひったくりやスリの成功率は低いようだ。このグループのリーダーの男がガキどもにあれこれ指示しているが、教え方が悪いのかガキどもが下手なのか、それとも両方だめなのかうまくいかないことが多い。


その後、リーダーのところにどこかからか男が近づいてきたと思ったら、リーダーの腕を引っ張って建物と建物の間の狭い通りに連れていった。男はリーダーよりは年上に見える。

リーダーが男に何か、たぶんお金を渡している。話をしているというよりは、男がリーダーに対し怒っているように見える。男がリーダーの服を首の下あたりで掴んで持ち上げ、リーダーの背中を建物の壁に強く押しつけている。たぶん、あの男はエルナがいっていたガキどものグループの後ろにいる悪いやつで、ガキどものが稼いだ金の一部を巻き上げているのだろう。


リーダーは、さっきと同じようにガキどもに指示しているが、怒鳴っている感じだ。あの男に金が少ないといわれたに違いない。ただ、怒鳴ったからといってうまくいくということはない。しばらくして、さっきの男がリーダーに何かいうと、リーダーはガキどもの一緒に走り出した。女のガキも一番後ろから追いかけている。どうやらこいつらを最初に見かけた広い通りに戻るようだ。他のグループも多いが、そっちの方が金を持っている人間は多いからだろう。


もうそろそろ日も傾いてきたし、ガキどもが会社のあたりまで戻るならついていくことにするかと思ったが、ふとさっきの男の方を見ると、道路の反対方向に歩き出した。こいつは悪いやつだし、どこに行くか後をつけてみることにする。



「へー、そんなことがあったんだー」

日が暮れる頃に会社に戻り、エルナにひったくりしているクソガキどもや例の男について話したのだ。

「クソガキ」という言葉はあまりよい言葉ではないということは知っているので、「ガキども」は「子供たち」、「女のガキ」は「女の子」にしておいた。


「その男のあとをつけて、そいつがどの建物のどの部屋に入ったかを調べたのだ」

「さすがシイラちゃん」

「ただ、お金を受け取っているところを見ただけなのだが」

「なるほどー。まあでも、何かできるかことがないかちょっと確認してみるね」

そういうとエルナは席を立ち、ここの会社のボスの男のところに向かう。


それから会議室で詳しい話を聞かれた。ひったくりしているガキども、その裏にいる男と組織に対する憲兵団の捜査についての記事を書くことにしたのだそうだ。

ライゼルには護衛の仕事をするためにやってきたのだが、出版社の仕事を作ることになったようだ。私が何かやればたいていうまくいく、というのはここでも有効なようだ。

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