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僕の夢は 退魔師じゃない  作者: 三ツ星真言
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謎の伏兵の正体

「奏絵、笛じゃ。」「承知。」

若者たちのピンチに、年寄り二人が立ち上がった。

奏絵さんが大威徳明王真言をイメージした曲を龍笛で吹く。

祖父は、それに合わせて、「悪霊退散、降魔調伏」と法弓を

引き鳴らした。

「グエエ~」「グエエ~」「グエエ~」

「グエエ~」「グエエ~」「グエエ~」

 六人の珠美が一斉に苦しそうに頭を抱える。

 その隙を見逃すような僕たちじゃない。それぞれが得意とする

武器で攻撃した。僕とキラちゃんは、寸鉄。龍美と三四郎君は

メリケンサック。武と陳 桃陽は、宝刀。それぞれの武器には、

護符が張り付けられている。

 僕たちは、護符と自分と仲間を信じて、思いっきりやった。

「ギャア~」「ギャア~」「ギャア~」

「ギャア~」「ギャア~」「ギャア~」

 六人の珠美が、断末魔の悲鳴をあげ、元の一人に戻る。

「今じゃ。」

 祖父の掛け声で、僕たちは最大にして最高の奥義を

繰り出そうとしたが、思わぬ邪魔が入った。

 どこからともなく優しく眠りへと導く子守歌が聞こえてきた。

 睡魔なんてとんでもない、永遠の眠りだと全身の細胞が

警鐘を鳴らすが、かなりキツイ。

 祖父が、その歌のする方に手裏剣を打った。流石だ。

「キャア~」

 謎の人物の体のどこかに当たったらしく、みんな、生命の

危機から脱した。

 そして、ヨロヨロと手裏剣が心臓に刺さったままの女性が、

姿を現わした。僕は年齢が読めないんだけど、けっこうキツイ

感じの美人だ。

「よくも、お母さんを。」

 珠美のその叫びに、僕たちは驚いた。

 僕たちは知らなかったが、その女性は、清廉 珠美の実の

母親。久美帆くみほで、小さなスナックのママをやっている。

 陰陽師と闘い重傷を負った珠美に怪我の手当てをしただけでなく、

この前、祖父と奏絵さんが珠美と闘った時に煙幕の煙玉を投げた

人物であった。

 久美帆は、そのまま珠美の元へフラフラと歩き、胸に倒れ込む。

「お母さん。」「珠美・・・・。」

 見つめ合う母と娘。普通の人間の母と娘なら、祖父が悪者で、

涙を誘う場面であったが、やはり、そうはいかなかった。

 次の瞬間、眩しい目が眩むような光を発した母と娘は

一人の女性へと合体変化へんげした。

 「人間の分際で、調子に乗るなよ。」

 心臓をギュウと握りつぶすような迫力の声。僕たち八人は、

全身を襲う悪寒に必死に耐えるが、ガチガチと知らずに

歯を鳴らしてしまう。凄まじい妖気だ。気を抜けば、直ぐに

倒れ込んでしまう。そのまま、あの世行きかも。

 これこそ、妖。(あやかし)九本の尻尾を持つ九尾の狐であった。

 衣服も、珠美の制服姿から、古代中国を思わせる華麗で

優雅な白い着物に変化していたが、模様の刺繍が赤い血に

見えるのは僕だけだろうか。

 龍美が一瞬よろけたが、直ぐに三四郎君に抱き寄せられ、

どうにかこうにか気を取り直す。

 キラちゃんも同じようによろけたが、直ぐに僕に抱き寄せられ、

どうにか気を取り直す。

 同じ女性でも、奏絵さんと陳 桃陽はそうはならなかったが、

かなりきつそうだった。






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