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僕の夢は 退魔師じゃない  作者: 三ツ星真言
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思わぬ女子会トーク

 僕とキラちゃんが殺生石らしきところまで行くと、

清廉 珠美が僕たちを待っていた。

「思ったより早かったね。たった二人だけど。」

「まだ、くると思うよ。きっと。」

 僕たちは仲間を信じているから、ビシッと言ってやった。

 あの祖父と奏絵さんだけは別格だと、内心思ったけどね。

「ふうん、そうなの。私も、チマチマやるのも面倒だし、

一度にまとめて始末したいから、もう少し待ってあげる。」

 僕たちは、清廉 珠美の申し出を、とりあえず了承した。

「ねえ、一つ聞いていい。そっちの彼女さん、どっかで見たこと

あるんだけど。」

「えっ、私。一応、某ファッション雑誌の専属モデル

やってるよ。」

「えっ、やっぱり。もしかして、キララ様だったりして。」

「当たり、よく知ってるね。嬉しいな。」

「私、大ファンなんです。今日は、そんな変てこな格好してるから、

わかんなかった。キララ様がカバーガールの雑誌は、全部買って

持っています。」

「わあ、有難う。今度、サインさせてもらうね。」

「ぜひ、お願いします。」

 キラちゃんがそんな格好しているのはおまえのせいだろうと、

僕が心の中で文句を言ったら、ジロリと睨まれた。ヤバイ、

こいつ本当に読心術使えるんだ。

「先月号の、あの記事なんだけど、・・・」

「えっ、あれか、あれね。」

 思わぬところで、キラちゃんと清廉 珠美の女子会トークが

始まったが、僕はこんなこともあろうかとポケットに忍ばせて

いた英語の単語帳を取り出し、覚え始めた。

 断っておくけど、退魔術のおさらいとかしていたら、敵に

ばれるから、仕方なしにやってんだからね。

 暫くすると、時間はバラバラだが、二人組で、全員やってきた。

 まったくの無傷、ノーダメージではないが、全員、生きている。

 とりあえずホッとするが、今からが本番だ。

「お待たせ。九尾の狐、すぐに滅殺してあげるから。」

 みんなを代表して、自称香港一の退魔師、陳 桃陽が声高らかに

宣言した。

「寝言は、寝てから言ってね。全員、まとめて始末してあげる。」

 清廉 珠美の殺気が、一気に暗闇高く膨れ上がった。

 妖気なんか、今までの妖怪と比べ物にならない。ゴジラと

トカゲくらいの差があるよ。やはり、紛い物と違い、産地直送の

本物は違うと、感心してしまったよ。


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