表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の夢は 退魔師じゃない  作者: 三ツ星真言
37/46

許さないからね

「待ちかねたよ。さあ、遊びましょう。」

 声のする方を見上げると、木の枝に、一匹の

大天狗が座っていた。腰に、剣を差している。

「ワシが、お相手しよう。」「それでは、私も。」

 祖父と奏絵さんが大天狗と闘うこととなったので、僕と

キラちゃんが先を急ぐと、今度は、壁からヒョッコリと

普通の女子高生、制服姿のかなりキレイな女の子が僕たちを

迎えてくれた。

 ほっとしたのもつかの間、下半身は大きな蛇であった。

 当然、足はない。

「ねえ、これって何ていう妖怪。」

「さあ、僕もわからない。濡れ女でもないし、蛇女でもないよね。」

「君、よく知ってるね。よく、間違えられるんだ。ラミアーだよ。」

 かなりキレイなラミアーは、ニコリと微笑む。セクシーだな。

「ラミアーは、元々は人間の女性だったんだけど、その美貌でゼウスに

見初められたんだよ。結果、ゼウスの妻ヘーラーの怒りを買い、ゼウスとの

間に産まれた子供を全て失い、その悲痛から容姿は獣のように変りはて、

他人の子を捕らえて殺すようになった。

 嫉妬深いヘーラーの報復はそれにとどまらず、ラミアーから眠りさえも

奪い、子供を失った悲しみから常に逃れられないようにしたんだね。

 そこでゼウスは彼女が休めるよう、目を取り外せるようにしてくれた。

 ほら、こんな風に。」

 ラミアーが親切丁寧に説明した後、片目を一つ外してみせてくれたもの

だから、キラちゃんがたまらず気絶した。

 僕だって正直気絶しそうになったけど、そうは言っておれず、キラちゃんを

傍にあった石のベンチにそっと寝かせる。

「許さないからね。」

 ラミアーに振り向いた僕の髪が、ザワザワと揺らめく。


 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ