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僕の夢は 退魔師じゃない  作者: 三ツ星真言
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土御門高校の評判

 「いやあ、大したもんだ。すごいぞ、土御門高校は。」

 実際に鬼に襲われた近藤先生には事情を話し、協力をしてもらうよう

頼んでいる。最近、全国模試の成績が著しいので是非勉強させて下さいとか、

あちらに電話で上手い事言って、偵察に行ってもらったが、すっかり木乃伊みいら

取りが木乃伊になるみたいなだ。

「怪しいことはなかったのか。」

「とんでもないですよ。まず、生徒会長の清廉 珠美君がすごい人物だ。

あれこそ、カリスマだ。その生徒会長を筆頭に、全校生徒が自分の進むべき

道をしっかりとらえ夢の実現に向けて、一生懸命努力している。校内暴力、

不良行為、イジメ、不登校など一切ない。校外でも、老人ホーム慰問、

清掃活動などボランテイア活動に熱心に取り組み、地域の評判もよく、

あれは、すごい。あれこそ、真の教育。わが校も見習うべきです。」

 散々熱く語った近藤先生は、スキップせんばかりに帰って行った。

「そんなとこへ乗り込んだりしたら、ワシらが悪者になるのう。」

「そうですわ。逆に、テロリストとして、警察に捕まっちゃいますね。」

祖父も奏絵さんも、険しい表情だ。敵は、狡猾でしたたかとみた。

「おい、おまえ、呪い殺すことできないのかよ。」

 龍美は、陳 桃陽に向かって物騒なことを言う。

「呪詛、呪殺の術は究めているが、相手が相手だけに、通用しない。

 そもそも、結界が敷かれていて、効果がない。」

「そうか、やっぱり、タイマンでぶっ飛ばすしかないか。」

おい、おい、普通の相手なら呪い殺すことできるよってサラリと言うのも

怖いけど、そんな相手にタイマンをはるって言うおまえが怖いよ。

「何か良い方法は、ないのかな。」

「公の場に引きずり出し、大衆の目前で正体を暴くしかないか。」

 正統派の三四郎君に、武が答えるが、何か恐い。

 簡単に言うけど、それがどんなに難しいか、みんなわかってる。

 僕とキラちゃんも、顔を見合し、黙っているしかできない。

「帰宅途中を拉致し、ボコるしかないか。」

 出たあ~、元デビルドラゴン、泣く子も黙る悪魔的発想。

「自宅に夜襲をかけるか。」「火牛の計もよろしいかと。」

 すかさず乗る祖父と奏絵さんも、怖いよ。老い先短い年寄りは

ある意味、無敵だ。

「あのう、九尾の狐が憑依している生徒は、誰ですか。」

「決まってるだろう、生徒会長の清廉 珠美ってやつだ。学校

裏サイトで、そ言われている。」

「そんなことで決めつけるなんて、危険ですわ。」

 僕の星のビーナスが悪魔をいさめるが、無駄だった。

「学校裏サイトで、そいつが陰陽師と闘って、勝った写真もあるぞ。ほれ。」

 みんなが、龍美のスマホの写真を見に額を寄せ合う。

「嘘じゃろ、信じられん。」

 祖父が立ち上がり、両手を握りしめて、声を震わした。

 その陰陽師こそ、祖父の朋輩にして、元・土御門高校の校長だった。






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