僕は名探偵
「ちょっと、これ見て。今日の関東大会の各種目の
決勝戦の結果なんだけど、気になるのがあるんだ。
キラちゃんも、検索して。」
「はあ~い。了解。」
キラちゃん、奏絵さんの前でも、陳 桃陽への牽制を
してくる。自分の肩で、僕の肩を押してくるんだ。
「ほら、優勝校は、以前は、地区大会一回戦負けだった。
それが優勝したんだから、ネットでは賞賛され、評判に
なるんだけど、優勝校のメンバーのインタビューは無表情、
不気味で不評なんだよね。そもそも、試合が人間離れしているって。」
「ほほう、ワシらとお前たちが見たような高校が他にあるのか。」
「空手は、三木森学園。剣道は、四木谷高校。」
「そうなんですよ。一木山高校、二木川高校。
すべて木が付くんですけど・・・。」
キラちゃんが、悪戯な天使のように微笑む。
「相撲は、護鬼学園なんです。」
「そう、五じゃないけど、鬼そのもの。つまり、木は鬼なんだな。
それだけではないんだよ。ほら、これ見て。」
僕はスマホのアプリで東京の地図を検索し、今話した五つの高校の
位置を赤くマーキングした。それだけではわかりにくいので、キラちゃんに
教えてもらって線で結び、みんなに見せた。
「成る程。」「そういう事ですか。」「おまえ、高校生探偵だったのか。」
三人がめっちゃ感心してくれたので、ちょっと嬉しい。
「そう、五芒星だよ。そして、その中心にある高校が、土御門高校だよ。」
「何だと。誠か。ワシの朋輩が校長を務めていた学校じゃ。」
祖父が、跳び上がった。明らかに、興奮している。
「それと、学校裏サイトで土御門高校を検索するとね。面白いことが
わかったんだ。ねえ、キラちゃん。」
「はいな。」
僕たちは、文明の利器とも言えるスマホを駆使し、みんなで作戦を練った。