体育の時間
「下手くそ。もっと、腰を入れろ。こうだ。」
今日の体育は、体育館でバレーボールだった。
私は、小学生の頃から、勉強も得意じゃなかったけど、
体育の時間が嫌いだった。
逆上がりも縄跳びもスキップもできないほど、運動
音痴なんだけど、それだけじゃないの。
体育の時間になると、やたら先生が私の体に触りたがるから。
今思うと、水泳の時間は、特に酷かったよ。
小学生の頃は、私が運動音痴だから、先生が熱心に教えてくれて
いるんだと思ってたけど、中学生になってから何か違うかもって
感じていた。
高校一年生になった私は、はっきりと言える。
私は、狙われているんだと。
他にも、キレイで可愛い女子高生はいるのに、何故か私だけが
狙われる。何故、どうして。聞くことなんか、できやしない。
相手が相手だけに逆らえない。訴えることもできない。
相談できる友達もいないので、ずる休みして保健室に逃げ込むことも
考えたんだけど、欠席が重なり、単位を落としでもしたら、お母さんに
どんな酷い目にあわされるか・・・・。
考えただけでも恐ろしくなる。
「はあ~い、行くわよ。」「ナイス、レシーブ。」「よっしゃあ~」など、
クラスメートが、楽しくバレーボールを楽しんでいる中、じっと歯を
食いしばり、我慢するしかない。
私は、ますます体育の時間が嫌いになった。