表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の夢は 退魔師じゃない  作者: 三ツ星真言
14/46

恐るべき陰陽師(おんみょうじ)

 その陰陽師は、九字を切った。

 『臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前』

 真言宗、仏教の密教系が用いるものとは違い、陰陽道の九字は、

字を四神、神人、星神の九星九宮に置き換えている。

「青龍・白虎・朱雀・玄武・勾陳・帝台・文王・三台・玉女」

 聖なる九字を唱えながら、手刀で空中に四縦五横の格子を

描いて、九字を切る『破邪の法』であった。

 破邪の法は、人差し指と中指の二本を刀に見立て格子を描くが、

この格子は1本1本が刃となったネットのようなもので、その中に

侵入しようとした鬼や怨霊を、バラバラに切り裂いたという説も

あるほど、強力なものである。

 そんなことは知らない私だが、目の前の陰陽師が凄まじい力を

持っていることが分かった。全身から立ち上る青白い闘気、静かで

清らかな清流のようなオーラがハンパない。

 こりゃあ、Tパック、違う、褌を締め直さなくっちゃ。

 そして、その陰陽師は懐から何やら紙を取り出し、呪文を

唱え、息を吹きかけるじゃないの。危ない人だったりして。

式神しきがみじゃ。気をつけよ。」

 またもや、玉藻が教えてくれる。

 式神は、人形ひとがたに模した紙やものなどに、呪文を唱え

息を吹きかけるなどの秘儀により、命を宿したり、調伏した鬼神などを

召喚し、術者(陰陽師)の意のままに使役するという呪術である。

識神しきのかみ』や『しき』とも言われる。

 かの有名な陰陽師、安倍晴明は、特に式を操るのに長けた人物で、

『十二神将を操った』などの逸話がある。

 その陰陽師が操る式神は、お寺で見たことのあるいかつい仏様。

全部で、5体。もっと、オシャレなカッコいいの出して欲しいのにな。

「馬鹿者。五大明王じゃ。これは、やっかいなものを出してきおった。

流石、憎っくき安倍清明の末裔。油断するなよ。」

 玉藻の慌てる様子で、私まで緊張するわ。

 五大明王は、不動明王、を中心に、降三世明王、軍荼利明王、

大威徳明王、金剛夜叉明王である。これほど、怨霊退散、降魔調伏の

エキスパート集団は他にいないであろう。

 そんなことを知らない私だけど、その陰陽師が安倍さんということが

わかって、何か親近感わいたから不思議。だって、うちの学校の校長も

安倍だよ。顔もどこかで見た記憶があるけど、今はそれどころではない。

 何を仕掛けるのかなあって興味津々で見ていたら、五大明王は私を

中心に、星の形に並んだ。これ、何かのアニメで見たことある。

 そう、五芒星だ。わあ~、スゴイと思った瞬間、五大明王が左手に

持った縄が私の五体をがんじがらめにした。身動きできない。

「何これ、エロイ。」

 私が体に食い込む縄の新感覚に身をよじっていると、安倍さんの鋭い

「破邪」の気合で、雷のよう電撃が五大明王から発射され、私の

全身を貫いた。

 ギャア~

 これは、たまらない。思わず、地面に倒れ込む。SMの範疇を遥かに

超えている。全身が燃えるように熱い。中学の理科の授業で習ったけど、

10億ボルトで50万アンペアはあるな。こりゃあ、確かにヤバイかも。

 よろよろと立ち上がる私を見た安倍さんは、ニヤリと笑った。

「しぶといのう。だが、今一度、それで終わりじゃ。」

 安倍さんがもう一度呪文を唱え、天に向けた右手の人差し指と中指を

私に目掛けて振り落とそうとしている。

 絶体絶命のピンチだ。どうする私。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ