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翌朝の満員電車(承の章の始まり)
「止めろ。止め・・・」
五月の下旬、朝の満員電車で、今日の私は痴漢にあわなかった。
逆に、今まで私に痴漢をした奴らに、私と同じ苦しみを哀しみを
味わせてやった。
衆道の気がある男どもの魂を操り、けしかけてやったのだ。
痴女も考えたが、喜ぶ男もいるかと思い、や~めた。
この力は、玉藻が与えてくれたものだ。
彼らの必死に助けを求める声は、誰にも届かない。
本当は聞こえているのに、誰も関わり合いを避け、99.99%、
見て見ぬふりを決め込んでいる。
私は、レコード大賞のあの曲を鼻歌で歌いながら、スマホで
動画を撮った。ネットでばらまくかどうかは、気分次第かな。
私のシモベどもは、随分慣れている感じがする。
「そこは、駄目。嫌・・・」
痴漢どもの救いを求める声は、誰にも届かない。
じっと、時間が立つのを我慢するしかない。
因果応報、いい気味だ。
私は、電車から飛び降りる時、シモベどもを私の呪縛から
解放してやった。今頃、大変なことになっているだろう。
私は、改札口を颯爽と気分よく駆け抜けた。
空は、雲一つない青空だ。