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第13:WHO星系、手紙の配達~其の10。星渡。

登場人物

アルト…本作の主人公、飛行団団長の息子、容姿が冴えない奴、侍の星渡見習い。

姫…アルトの腹違いの家族、純白の翼を持つ清楚な美少女。

サツキ…レドの娘の一人、イーニャの細工師、現在は細工の修業中。

スター…レドの娘の一人、連邦の忍者頭の娘、月光の称号を持つ。

ワイバーン…レドの娘の一人、アイヌの戦士、料理の修行中。

小波…アルトの刀で、露出の多い服にボーイッシュ、アルトを主君と仰ぐ。

姫野…アルトの刀で、女の子らしい服に容姿、アルトを主君と仰ぐ。

風鈴…スターの右腕の忍者、アルトの容姿に惚れた奇特な女の子。

星守り…アルトの右腕、凄腕のキャスター、姫への恋の為に侍修行を励む。

 

 今日の外出先、ショッピングモール。

 基本的に連邦は武装認められ、毎日身に着ける訳でもないが、ファション感覚で着ける者もいる。

 洋服姿の日常服のアルトは腰には刀を差し、神器『祭り師』、カラフルではない服装は一言で言うのなら地味、白いシャツにスラックス、革製のベルト、170cmの少年身長も有って、平凡な風景の一人、オタク用語のモブキャラのようなものだ。


 メタルグレイのショート、不愛想な顔に鼻頭に絆創膏、口元までのワインレッドロングマフラー、服装はノースリーブの下腹丸出しのシャツ、ショートパンツに太腿路の内側の開いた忍者ズボン、腰の方には神器『風雷』、160cmの身長も有って多少は目立つ。


 黒とピクの混じるロングツインテール、小生意気そうな顔つきに、ワインレッドのベレー帽、ノースリーブのシャツに下腹にダークレッドのコルセット、ミニスカートの下にはスパッツ、腰の方には神器『風迅』、160cmの身長もあり多少は目立つ。


 銀髪のストレート、整った気の強そうな顔つき、飾り気はなく、イエローとグリーンの色合いのブラウス、ミニスカート、特に変わらい様な有り触れた服装、神器『ジョーカー』を背中にくくり、165cmという女性にしてはやや長身も有って目立つ。


 黒髪のストレート、清楚とした整った顔つき、純白の翼、白を基調とした服装、一言で言うのなら翼人の美少女のよう、背中にある神器『飛燕』、腰にある矢筒、154cmという小柄な体格でもある為に、可愛らしく清楚とした容姿と雰囲気がよく目立つ。


 このような目立たないアルト、普通枠の二人、目立つ枠の二人もあり、足し引きは多少は目立つ程度のグループ、いつもならといなる、リークれたスキャンダル情報もあり、アルト達への注目度は高く、中心のアルトは権力者なので、色々と言われがちではあるが、現在の飛行団の多数派はアルト派、この為に聞きはしないし、止めもしないが、注目だけは集まる。

 ショッピングモールへの徒歩、社会情勢もあって、7割は女性、3割が男性、明らかに女性が多いので、男性を引っかけるのも女性、男性からいう事は高確率でない。

 かつての時代とはまるっきり逆の社会と言えばよいかもしれない。

 男性社会から、女性社会へと、権力の構図も変わり、握るのは女性、その中での男性権力者は、明らかに少数派であった。

 14歳という少年年齢も有るので、権力者としては異常に若いというより幼い。

 日本連邦の革命を起こした張本人、人口の5割を社会から追い出した事件の首謀者でもある、後に起きる地球国際情勢の、基本的な前提であった冷戦の終結、その後日である。

 評価は高いアルトではあるが、幼い頃からよく問題起こす札付きの問題児、その末に権力を握る。

 言われない方がおかしいアルトではあるが、言った所で別に何も変わらない。

 一言で言うのなら有名人、知らない方が珍しい少数派のような、色々な意味での時の人。

 アルトの腹違いの姫、翼人タイプの異星人の血を引き、純白の翼、清楚な美少女の容姿、色々と良い所が多いが、少々アブノーマル、こちらの方も時の人。

 小波、見るからに忍者、リークされた情報での恋人候補で時の人。

 姫野、見るからに忍者、小波と同じようにリークされた情報での恋人候補、なのだが性格や口調から色々と誤解され、候補としての人気はいま一つの時の人。

 サツキ、よく分からないその他の人、色々な意味で有名な四人と行動を共にする最も謎の少女、その為に恋人候補以上の注目度がある。

 一様に5名は武装する方であるために、別にファッションというより狙われる側なのでこれは仕方がない。10代にも至らない子供からすれば色々な意味での好奇の的。

 連邦の主な乗り物は飛空艇、空を飛んでなんぼの乗り物、しかし金が無ければ徒歩しかない訳なので、歩く人も多い。

 権力者なのになぜ飛空艇ではないのか、国外では信じられないほどにアルトの給与は劇的に低い、生活できないぐらいと言えばわかる金額、アルバイトの最低自給割れの金額と言えばさらに適切。この結果てな飛空艇が買えない貧乏。

 なのだが武装は神器、権力者かも知れないけど金がない、金はなくても武装は凄い。

 こんな社会ではあるが、武装は基本的な近接用のみ、銃などは警官や軍人、時々な武装探偵や少数派の犯罪者、これらの人々は基本的に少数派、その結果に普通に見るのは近接用の武装のため、目が肥えているので直ぐに分かる。

 誰もが首を傾げるような、意味の分からないグループというべき集団という認識が正しい。

 2054年の日本連邦の、芸能番組のネタを掻っ攫う事になる集団とは、こんな構成の人々。


 ショッピングモールの前、軽い軽食屋が数件ある程度の小さな広場、真正面にある中規模のショッピングモール、女性社会の連邦では珍しい造りの、女性向けも、男性向けも両立された建物、よく昔の映画で男性が女性に声をかける主な建物などかも知れないが、現在では夢物語を通り越し非現実的な光景の一つだ。

 これらの男性を引っかけるのに何かと都合がよいのがバー、何かと都合がよい理由は色々と便利だから、酒を飲めば軽くわかるような仕組みがよく使われる。


 だからと言って男性社会の歴史は根強く、戦争も長年続いたせいでこの歴史が一層濃くなっている、何せよく死ぬ男性、これを引っかけないと結婚できない現実、色々な歴史の歩みや影から、妥協に次ぐ妥協も有って男女の差は昔に比べれば低くなる。

 そんな歴史、社会の構造もあり、連邦の主な建物は女性のみ、どんな時でもこれは変わらない筈だったが、飛行団の本拠地の飛空市、人口100万名の大都市は、団長の方針で珍しいまでの男女平等を貫く、連邦でも異世界扱いの町。

 なので外の者は直ぐに分かり、警察も直ぐに分かる為に何かあれば外の者が職務質問。

 明らかに外の方々と分かる人々の一団、本気で分かっていない方々、アルトを罠にかけて喜ぶ方々、男性なんて種で十分の方々が、警官に逮捕された輸送される。

 連邦の中でも飛行団は別の行政府がある、独立した別の自治区のような場所なのだと理解できなかった方々。その権力者に質問したかったが、公務執行妨害で捕獲される。

 ジャーナリストは確かに居るが、やり過ぎると、逮捕されて、悲惨な目に遭うご時世なのだと理解できなかった、守られる事もない使い捨ての方々だ。

 ゴミ掃除も大変な少年の特に冴えない日常の一つ。


 建物内に入る。

 サツキが驚く、真正面に一つの立体映像、基本的に連邦内での社会もあって全部女性より、男性用語の声の一つも上がらない。

 立体映像には男性と女性が、両方とも同時に現れての男女のトーク、服装も男女の違いが明確であり、武装こそないが顔の方も決してイケメン、容姿端麗ではなく、親しみやすい普通の男性と普通の女性、連邦では間違いなくあり得ない映像の一つ。

 荒々しい事を好みがちな連邦に対し、飛行団の方の基本的なテーマは空など、この為に建物内もブルー系カラーなども多く、室内もやたらと機械化される連邦と比べて、人力移動が多く、一応年寄り用の小さな車がある程度。

 こんな社会の飛行団の町で、外の人々が現れれば一目瞭然、あらかに余所者のと分かる。


 馴染みのある建物を進み、やたらときょろきょろして落ち着かないいつものサツキ、連邦社会の方が馴染み深いサツキにとってみれば異世界の建物。

 一つの場所につく、10代向けの衣類店、ここでのショッピングを行う。

 こうなると自由行動になる。

 地味な服が好きなアルト、白い清楚な系統が好きな姫、忍者系が好きな小波、飛行団のモデルファッションを追いかけがちの姫野、サツキはよく分かっていない。

 姫が適当に説明し、内容が理解できないサツキに更に説明、色々と考えてから面倒臭くなって適当に選び出し姫に止められる猪娘。

 異星生まれの育ちであるサツキは、半分は日本人のため、母親の故郷に来たのだが、何もわからないのに案内人の一人もいない、当然のように行く先々でのトラブル道中。

 猪と言われる所以がこの後先考えない行動力だ。

 扱える言葉も古い日本語、今では飛行団以外では使われる事もない言葉に、通じる言葉も少なく、紆余曲折を経て今に至るのだが、猪は相変わらずのよう。


 服選びを終えてからの試着、姫野の方は何故か流行の服を持って現れて着ける様に勧める、アルトは拒否し、そこに侍系の服を持って現れた小波、同じ様に着る様に勧めるも同じく拒否されていた。

 地味好き少年にとってみれば派手さは要らない、値段と地味さの両立こそを優先する。

 姫野はそれが好きではないので、しきりに流行品を勧め、小波は常々侍なのに全く着ない事がとても不満なので、強く勧める。

 二人とも強く拒否され、二人は諦めず作戦を切り替えた。

 二人の妥協の地味な奴、これにも強く拒否される。

 見栄え向上を替えが得る二人と、星守りの悲劇を味わいたくないアルトの攻防戦は続く。


 三位の攻防戦の中、サツキと姫の攻防戦も始まり、異星人と言っても過言ではないサツキのファッションセンスと、姫の様々飛行団のファッションで磨かれるセンスの攻防戦。

 攻防戦の中に妥協は一切ない、何せ自分の好みの押し付け合いでしかないからだ。


 そこの一組の少年たちが現れる、額の角を生やした気弱そうな、異星人の血を引く少年の二世、大柄な純血の日本人を表す黒々した漆黒の髪に、工具が大量についた服装のアーム、この店の常連の為に休みの日はよく来る。

 何やら言い争う男女に見覚えがあり挨拶、味方を得たアルトは素早く内容を話し、支援を取り付け、二人に攻防戦に参加してもらう、暇な時間の暇潰しを見付けた二人も常々アルトの地味すぎる服装が不満、それぞれ好みの服を持って押し付け初め。

 騎士服が好きな二世、ツナギ好きなアーム、よりカオスが増しての攻防戦が始まる。

 騒ぎに、一人の疲れた顔で、冴えない容姿の長身痩躯の少年が現れる、疾風という元忍者の少年だ。

 騒ぎに顎鬚を撫でてから、内容が理解できた様子でアルトの支援に入る。

 気に入らない服を押し付けても結局は着ない、それでは何の意味もないと説明し仲裁、多くの賛同を得て、一同でのアルトの服選び、どうも上手く行かなかったことに疾風は逃走。詰んだ現状にアルトは愕然し、そっと逃げ出した。


 姫とサツキの攻防戦、激しい舌戦の中、閃いた姫が雑誌購入に向かう。

 近くの書店で選んだ雑誌を購入し、サツキの元に持っていく、見たサツキはイマイチ、中々合格ラインが分からない姫は、更に閃き、アルトを探し、逃走しようとするアルトの傍により、支援を要請、これにアルトも支援を要請は二人の合意の元、サツキの服装の方に入り、サツキの生まれ故郷の、服装から何までも知っている、このアルトの強い説得により、これは合格ラインと飛行団の妥協点の服を選び、二人にGOサインを貰う。

 支援要請、サツキという味方を得て反撃に出る。

 サツキと姫の支援を受けたアルトは、ゆっくりと地味な服選び。


 安心して選んでから購入し、更に地味な服装が増える。

 四人も渋々に自分の服選びに戻る。


 服の購入が終わり装飾品、靴、帽子等、アルトの見た目向上を狙う小波、姫野との攻防戦もあるが、姫、サツキの支援を受けこれらの攻防戦を制し、特に変わらない格好を維持した。

 そこに一人の女性、小さな体格、145cmという低身長の高校生、あまりに小さい為に小学生にしか見えない、有名な小さな工兵隊長のポルック、趣味の装飾品選びに来ていた。それを見付けた姫野、小波の二人は説得を開始、何やら旗色が悪くなりかける雰囲気を察したアルトは逃走。


 結局攻防戦の末にアルトは地味な格好を維持した。


 ショッピングモールのフードコート、一様に集まりまずは挨拶、サツキへの自己紹介。

 二世はコーンスという異種族との混血児、騎兵隊長をする唯一のエリート。

 アームは純血の日本人とはいっても、日本連邦自体が幾つもの民族に合わさった国家なので、純粋な日本人と言ったとしても本当かどうかは微妙な所、機甲兵隊長を行う。

 ポックルはホビットという異種族とアイヌの混血児、アイヌという民族はおらず少数民族同士の総称の様なもの、隊長格では唯一の女性で工兵隊長。

 サツキの方も自己紹介し、WHO生まれと育ちの日本人との混血児、殆ど異星人のような少女に、三人の好奇心が湧きたつ、質問攻めを受けアルトが何度もフォロー。


 □


 昼間に帰宅、見た目の変わらないアルトの父親が呼んで軽い説教。

 これらが終わって荷物を運び、昼食。


「どうでしたサツキ」


 姫の質問に、サツキは軽く笑って言う。


「好い場所ね。この町は」


 サツキの本心に、姫の方も笑顔で頷いていた。

 姫野はふくれっ面し、察したスカオが質問。


「どうした姫野」


 我味方得たりといった姫野が言う。


「主君の見た目が、どう見ても地味過ぎ」


 これにスカオも強く頷く、姫野は更に言う。


「団長のような格好がベストです」


 団長ことスカオの恰好は非常にお洒落、高級な宝石より高価な衣類が普段着、あちらこちらに刺繍、紋様、文字、これらが外側に偏り、色合いもシックな感じで纏まり、非常にお洒落な格好なので、年齢さえなければモテていた方。

 スカオも息子の地味好きには頭を悩ませ、幼い頃は毎日のようにファッションセンスの改善を指導したが一向に受け入れないので諦め掛けてた。


「息子の地味好きにはな」


 二人の母親の内、この実の母親も強く頷き同意していた。

 夕霧の方もお洒落、スカオのような色彩が有る訳ではないが、独特の巫女服に見た目は16歳の為に、知らなければ日本美人なので、とても似合っているし、別に丈が短い訳でもない、工夫された巫女服というべき姿だ。


「何故でしょうか。ここまで地味な格好、若いのに」


 母親としても地味過ぎる、お洒落の一つに気を使う位になって欲しいが、頑固なので受け入れる事は一切ないが、ふと問題児のサツキを見る。

 何やら服装が、様変わりというべきではないが、何やら向上していた。


「サツキの服は誰が?」


 これに二人が不思議に思っていた事を話した。


「それが、主君なんすよ」

「妥協点だそうです」


 親達は、少し沈黙する、地味な格好ばかりのアルトが、異星人と言っても過言ではないサツキの服を選ぶというハイセンスな事をした。

 夕霧はふと思い至り、気難しい顔で実の息子に質問した。


「何処の恰好ですシルト」


 この質問にアルトは思案した後に、一応話した。


「WHOの刀京ファッション」


 親御さん達も、恋人候補と騒がれる二人も、姫もサツキもアルトを見る。

 サツキからしても大都会の刀京の名前は知っていたが、まさかここにそんな恰好の奴が居るとはとてもおもなかったものの、言われてみればWHOの色合いと言い、デザインと言い、流行ではないかもしれないが、何せアルトは星渡、いつでも好きな星に行ける。


「「え?」」

「彼方の服装の方が好みでね」


 父親は考える、星渡として育てが、まさか感性までそうなってしまったのかと。


「ふむ。後でチェックしよう」

「スカオ?」

「渡って調べればいい」

「その手がありましたか」


 ひとまずは安心、美姫としては知っている流行品とは違うが、言われてみれば似ているところが多い、もしかすればと考え、困惑した。


「・・・えーと。シルト」

「なんだよ」

「よく雑誌を読んでいましたよね」

「ああ」

「持ってきてもらえますか」

「壊すなよ」

「はい」


 アルトが取りに行く、運んできた雑誌、WHO文字の男性用この10代向けのファッション雑誌、この週刊だった。

 深い沈黙、サツキも読めるような文字、何か根本的なレベルでの食い違い。

 父親が開けると、色々な写真、色々な紹介、最近の流行の方は地味系らしく、派手さを好まないあの都市ならではの恰好が多い。

 息子を見る父親、何か大きなずれがあるように思えてならない。


「地球の恰好をしろ」

「嫌だ」


 どうして頑固に固辞するかが判明した。

 星渡にとってみれば宇宙全域に惑星に毎日行ける為に、一つの惑星のファッションに拘る必要が皆無なので、考えてみれば勘違いしていたようだ。


「・・・ちゃんと説明しろ」

「しただろ」


 父親の悩みはさらに深まる、星渡になり過ぎて、色々な価値観が違ってしまったようで、確かに地球の恰好は言うのもなんであるが田舎の方だ。


「もしかすればなのだが、周りを見てどう思う」

「ダサい」


 再びの沈黙、雑書見た姫野も、小波も異星の雑誌に吃驚、アルトが小さく紹介されていたからだ。

 美的感覚がおかしいアルトだったが、こちらでは恐らく街角のお洒落さんになるのかもしれない事に驚愕した。


「半分って宇宙感覚でしたね」

「ああ」


 沢山の色々と事に、アルトに改善する要求の人々、宇宙を知るアルトからすればダサすぎる格好が余りに恥ずかしかったのかもしれない。

 反省する一同。


「まあ服装は人それぞれ、それでいいじゃないか」


 フォローするアルトに、何やら気まずい雰囲気になる。

 地球に住む人々この惑星基準、それで別にいい、しかし星渡のアルトは宇宙基準ではないと困る、これを知ったファッション界はどうなるか気になる姫だ。


「知らないって幸せでいいじゃないですか」

「ああ。それでいいじゃないか」

「ちょっと雑誌とか、買ってきてもらえませんか」


 女性陣は大きく頷く、父親としても頷いた。

 アルトとしてもやっとの事なので一肌脱ぐ。


 あちらこちらの雑誌を持ってきたアルトに、全員が困った、どうも遅れているという奴ではなく民族衣装だ。明らかに民族衣装で、注目すらされていない。宇宙船の一つもない地球なら仕方がない。


 14歳の4名は必死に掴もうと見る。

 母親達も、進む時間に老朽化していた服装だった。

 父親の方はマシだった。地方雑誌に一応乗っていたからだ。


「まあ頑張って」


 アルトは食事に戻る。


 飛行団内部の団長より服飾関係者が集められる、息子より教わった情報を公開し、沢山に人々が沈黙していた。見せられた写真などもあって、物的証拠の数々、長時間続いた関係者への説明に、最低限まともな服装はしたいとの団長の言葉に騒ぎになった。


 14歳の4名は地上の居間までの雑誌の読書、地球とは比べようがない、全ての比較が成り立たない、惑星基準は既に時代遅れ、宇宙基準の時代に入っていた。

 しかし地球での生活もあり、ある程度の妥協点を探すしかなかった。


「学習は済みましたか」


 少年の言葉に、14歳の4名は首を左右に振る。


「実践編に行きましょう」


 地球での地味な格好、WHOの刀京の10代メンズファッション、この最先端と思うとデザインとしては恐ろしくシンプル、色彩としてもシンプル、それ故に誤魔化しがきかないと姫は思う。

 四人は仕方なしにアルトの提案を受ける。


 □


 再びのショップングモール、アルトお勧めの店に呼ばれた、店員は異星人の女性、何かが符合するかのような構図に、四人は得た知識をもとに頑張ったが、アルトは頑として譲らなず、首を振らずに困り、店員がアルトに提案し、女性店員のコーディネイトでアルトは頷いた。

 色彩としてはシンプルなもの、一切の線すらない、好みの恰好と合わせて変更された者を、初めてアルトが写真にとり、四人は気付いた。

 今まで何故アルトが女性に興味を示さなかったのは、全種族を知るアルトからすれば田舎ファッション過ぎたのだ。

 肌の露出を好む小波としても合格ラインの物もあるが、値段が凄い、これをアルトはカードで支払う、給与の少ないアルトが何故支払われたか不思議に思う小波が質問した。


「主君」

「ん」

「どこから資金が」

「お前も鈍いな、俺は全種族の星に行けるんだぜ?情報の切り売りだよ」


 小波は衝撃を受けるも、納得し今までの謎々が解決に導かれていた。

 ノースリーズの下腹丸出しの白いシャツ、黒のホットパンツ、太腿の内側が大きく見える忍者ズボンは鴉色、手に下は白い外側のみの指だし手袋。

 腰に忍者刀もアルトが調整し、写真撮影。


「磨けば光るな」


 少年が褒める、メタルグレイの髪の小波としては、嬉しいと言えば嬉しいのではあるが、今までの評価は論外だったことに、主に服装の面で散々の評価だったらしいのが気になった。少なくても雑誌の方はよく読む事を誓う。


 撮影の後にアルトが小波の手を握る、心臓が跳ね上がる位であるが、何せ宇宙基準の主なので、地球基準の小波では予想が出来ない

 空間が歪み一つの所に現れる。

 一人残らず忍者と分かるような人々の街、小波の常識が全て崩れるような空間に出る。

 今までの訓練で培った自制心で抑えていた。

 小波の手を握り、一つの見るからにお洒落な店に入る。

 内部は一目瞭然のモデル関係の場所、小波が逆立ちしても、勝てないような美少女が当たり前、アルトが受付にいい、通されてから最上階に行く。

 到着してから更に受付にいき、用件を伝えてから通され、中には一人の女性、恐ろしいまでの美貌に、均等の取れたスタイル、身に着ける服装も忍者の恰好ながら大人であり、ハイセンスであった。

 アルトが連れてきた小波を一瞥し、女性がニヤニヤにと笑い、アルトを揶揄う。

 この女性の一つの依頼を行い、小波は座らされ、女性が道具を取り出し、小波にメイクを施した。

 終わってか見せられた完成に、小波は目を疑う、ほとんど変わらないようではある程度の薄いものではあったが、見かけが別人になっていた、正確には造りは変わらない小波の顔ではあったが、メイクにより化けまくっていた。

 アルトが礼を言ってから写真を提供、女性は満足そうに受け取ってからアルトに礼を言って終わりであった。

 外に出るまで、小波は異常に注目を浴びる、今までにない事ばかりに、外に出る。


「よし、ちょっと歩くぞ」


 アルトに引っ張られ、小波は歩く、今まで注目もされないような小娘に、一瞥もされる事もなかった小波に、見向きもされない筈が、様々な人々が見ていた。

 世界が変わり始めたのは言うまでもない。


 一つの店の前にいくつかのグループの女の子、一人残らず忍者の恰好、店に入るアルトと小波を一瞥していた。

 中に商品は小波の憧れていた物ばかり、普通ながらもお洒落な小物、中には可愛い物もあるし、アルトの勧め物を身につけ、鏡の前に立つ。

 世界が変わっていた。

 購入してから次の場所、幾つものテーブルの店、オープンカフェの店、見るからにカップル、あちらこちらにカップル、様々な種族の統一もないが、忍者と分かる格好の人々の若い男女の集まる店。

 小波は色々と有ったが幸せの中に入っているらしく、小波の欲しかった光あふれる普通の女の子の幸せの中にいた。

 座ってからアルトが注文、言葉も文字も解らない小波にとってみれば有り難い、お洒落なウェイトレスが運び、出された水のような飲み物、飲むようにアルトが勧め、これを飲む、殆どに甘く、馴染むように清涼感、抵抗を感じられない味わい、夢中で飲んでいた。


「どうだ」


 アルトの地味な顔で感想を質問していた。

 小波は口紅の付いた鮮やかな赤い唇を開く。


「・・別世界です」


 小波の正直な感想に、アルトは頷いていた。


「後で、姫野にも、スターにも、風鈴にも伝えてください」


 ありがちな独占ではなく共有を選んだ小波に、アルトは薄く笑って頷いていた。

 会計を済ませてから帰還した。

 現れたショッピングモールの店、相方を見る小波に、姫野の方も見ていた。


「小波?」


 姫野は信じられない顔で言うが、小波も信じられない現実だったので、一応頷いていた。


「マジっすか?別人っしょ」

「超幸せ」

「・・・狡いっす」

「安心です。姫野も変わりがいいです。スターも風鈴も」

「・・・いいんすか?」

「ああ。とりあえず主君の話は聞いておけ、宇宙基準と地球は違う、別世界です」

「了解っす」


 アルトも二人の会話に、姫野の手を握り、忍者の惑星の一つの町に渡る。

 姫野も衝撃を受ける様な別世界、入った店、明らかにお子様の場違いには用がなさそうな店、受付にアルトが話、通された最上階で受付に話し、通された姫野が衝撃を受けるような女性にアルトが揶揄われてから姫野はメイクされる。

 化けまくった自分の顔に、そのまま姫野の好みそうな店、ちゃんとチェックしていた事が涙がこみ上げるような嬉しさを感じる。

 小物、その後のレストラン、超高級そうな店、アルトは何の迷いもなく進み、最上階に入る。

 いくら権力者でも払えそうにない、高額の比が違う様な店、対応する店員も超一流、窓際に座り、アルトが注文し、直ぐには出ないが、待ってから出されたスープ。

 何の変哲もない透明なスープ、一目で高級品と分かるような器、渡されたレンゲも高級そう、全て高級そうな物ばかり、一口飲むスープは絶品の幸せの味。


「どうだ」


 尋ねられた姫野は、一つを言う。


「幸せっす」

「なら問題はない」


 何も言う事はなく、スープを飲み終えてから出る、支払いはアルトが済ませ、外に出てから帰還。

 相方の方も待っており、姫野は相方に抱き着き、現実に帰還していた。

 姫も別人の様な容姿になっている二人、泣くのを必死に我慢するかのような二人を見る。

 様々な言葉があるが、一つ言える事は綺麗になっていた。

 姫は半分の傍に行き袖を引っ張る。


「ん?」

「ボクも」

「・・・まあ別にいいけど」


 握ったアルトが一つの惑星に渡り、翼の生えた人しかいない人々の町、姫が夢見た世界、アルトが連れて行った店でのメイク、髪の方も手が入れられ、華やかになった。

 次の店、姫が入る事も出来ないような女の子の店、半分が手に取った小物や装飾品、その後の海辺の店、半分の方は特に変わらず、様変わりした己、夢の世界の様な別世界。


 特に会話する事もなかったが、幸せな時間だった。

 帰還してから、サツキは友人の華やかさに言葉がない。


「まあ礼はする行くか?」

「勿論」


 アルトが握った後に渡り、一つの巨大な都、一つの歩道すら比べようがない巨大さで有り、飾られる何もかもが素晴らしい細工に高級な感じ物ばかり、連れられた一つの店でメイクと髪飾り、噂に聞くような最高級の店らしく、サツキがどう考えてもお呼びではない場所だ。

 別人になったサツキ、次の店、サツキが大好きな普通の店のようではあるが、つけられる値札に顔が蒼くなるが、アルトがカードで支払うので容赦なく購入していた。

 次にサツキからすれば場違いすぎる場所に店、位が高過ぎる様な人々が集まる店の、最上階の一つの部屋に入る。

 一つのテーブルと二組の椅子、見るからの見事の一つで言い切れる物ばかり、座ったサツキの前に食器が現れる、アルトは座らずに後ろで立ち、注文した少年が支払いは済ませ、出された一つのサラダ。

 食べればわかると思い食べれば信じられないような絶品、いつもなら夢中で食べるが、今回だけは非常に味わって食べる。

 終わってからサツキを連れ美術館に来る。

 アルトは顔パスだったのに、サツキは呼び止められる。

 少年が交渉し許可をもらい入り、入った美術品巡り、サツキはアルトに聞きまくり、アルトは嫌な顔一つせずに丁寧に説明し、サツキは夢中になりかける己を何とか律していた。

 終わってから帰還した。


「凄く好かった」

「さいで」


 色々と有ったが、やはりこの少年はユニークだと思う。


「帰宅するぞ」


 一様に頷く、帰る道の中、アルト以外は全員が注目されていた。

 帰宅し、家族の方は様変わりしている女の子4名、アルトは何も変わらない。

 ひとまず撮影会。

 その間にアルトは風鈴の前に渡る。

 いきなり現れたアルトに、風鈴の手を握る渡る。

 混乱する間もなく現れた場所、連れていかれた女性の場所での美容とチェンジ。

 黒髪に戻されるも、金の髪の毛もあり、黒と金の両方が混ざる、顔にもメイク、髪型はのまま、服装はギャル系を中心とした忍者の恰好、そのまま連れていかれた風鈴好みの店、選ぶことになるがよくわからないのでアルトが選び、初めての意中の少年からの贈り物。

 次に来たのは一つの店、書店らしくアルトが購入したファション雑誌、次に行く香水の店、これもアルトが選ぶ、次にレストラン、ここでの食事。

 終わった後に帰還、アルトの自宅、ああ結ばれると思うが、何かか妙な連中がいる。

 幼馴染のバカ二乗、様変わりした姿での撮影会、風鈴もこれに参加させられた。

 次に現れたスターの場所。


「何の用だ」

「借りを返しに来た」


 スターは優美な顔を曇らせるが、アルトがあろうことかスターの手を握り渡る。

 現れた別世界、頭が真っ白になり、そのまま連れていかれた店、他の三名が入った店だが、スターが見ても明らかな場違い、通された場所にでの美容やメイクや服装チェンジ。

 別人になったスター、ひとまず本気で借りが返されたことは分かる。


「アルト、借りを返してもらうのは別に良いが」

「次に行くぞ」


 スターからしても意外ではあるが、この少年はこう言った事では強引な方らしい。

 色々な店に行った後の歴史館、忍者の歴史がある建物に入り、スターの好みをよく把握していたらしく、見学するスターに、後ろで待機。

 スターが沢山楽しんだ後に帰還し、幼馴染3名とサツキと姫の撮影会に強制的に参加させられた。


 一仕事終えてから、アルトは暇そうに雑誌を見ていた。

 父親としても息子がしっかりと成長していることに、喜ぶが、なんとも辛いという複雑な心境。


「シルト、お勧めの雑誌とかあるのか?」

「少し待ってくれ」


 渡ってから持ってきた雑誌を受け取る、時代の最先端の服装が載る。

 親子共に雑誌を読む静かな時間が流れた。


 □


 撮影会、母親たちは大燥ぎでの撮影、子供達は別に良いのだが、燥ぎ過ぎる二人に呆れていた。サツキはしみじみと思うし、姫の方も似た様なものだ。


「変わったわよね」

「はい。様変わりですよ」

「あのバカ1号がどう見ていたかよくわかるわ」

「まあド田舎いですから」

「田舎過ぎたわよ」

「ええ。格が違いました。都会と集落の差です」

「同感ね」


 知らない幸せというべきなのか、放送される映像には恋人候補の二人とのゴシップネタで盛り上がる、今を見たら180度変わる様な逸材となっている二人だ。

 露出の多いボーイッシュな小波、全体的にピンク系の多い女の子気質の姫野、黒と金が両立したお嬢様のような風鈴、クールで格好いい黒系が多いスター、幼馴染の4名とも紆余曲折を経て仲直り中だ。


 男性のスカオは息子の提案。


「ひとまず飛行団の制服を決めよう」

「別にいいが」

「全部頼む」

「分かった」


 また渡り、知り合いの前に現れて依頼、その後にデザインを待ち、受け取ってから戻る、父親の見せると見る事もなくOKが出る。

 直ぐにネットの公開、何処からも反対の声は上がらなかった。

 終わってから雑誌戻りかけたアルトにスターが提案した。


「忍者の制服を頼む」

「分かった」


 知り合いの所に渡り、依頼、これに関しては人気のある忍者なので、少なからず家に寄越せという声が有ったが、アルトは取り合わず、受け取ったデザインをって現れ。

 一瞥したスターはOKを出し、これも公開した。

 次に冥夜から連絡が入り、同じ様に侍の制服も手に入れてから公開した。

 終わってから雑誌に戻ろうすれば、巫女の出雲から今直ぐ来いと呼ばれて現れ、制服を依頼され、同じ様に渡って手に入れてから提供し、自宅の雑誌のページをめくる頃に先輩のレンズに呼ばれて同じ様に制服を依頼、渡ってから手に入れて提供しこれも公開した。

 琉球も、アイヌからも依頼されてこれもこなした。

 潜水団の方は水の中なので特にない。

 雑誌に戻り、軽く水を飲みながら読む。

 連邦内では見た目が劇的に向上した各制服に、反対の声が上がれば、決まった事の一点張りで押し通した。

 連邦の教育委員会からも依頼されてこれを個別にこなしていた。


 様変わりした連邦の制服、少なくても地球にはない斬新なデザインがしかなかったので衝撃は大きく、色々な所から依頼されてこれをこなしていた。


 一仕事終えてからの夕飯、いつもより気合の入った料理だった。

 ニュースの方もゴシップネタから制服事件の話に切り替わり、特に連邦の気合の入れように、困惑しかなく、更に若者用に関しては気合が入れ過ぎる為に、反対というより、これは色々とと疑問の声が強かった。


 夕飯の後、風鈴もスターも、中々帰らずに幼馴染二人は話していた。

 細工師のサツキは、この地味顔でしかない冴えない奴が、次々に起こした事件を見ていた。

 一言で言うのなら宇宙基準にしようというのが、透けて見えるのがあるとの考えだ、ただそれは別に良いのだが、時代に乗れない人々には辛い時代でもある。

 姫の方を見る、清楚に華やかさが加わり、劇的に向上した見た目、メイクも有って健康な健全な魅力満載となり、これに抵抗できる者はそう多くはなく、元々の素質も有ってなんというかハイスペックな友人であった。

 ちなみに連邦の制服の最大の特徴は華やか、他の機能の方も高く、カラーとしてはシンプルなものではあるが、飾り方も細工師のサツキからしても見事な物、少なくても見た目のみなら地球最強の制服の数々だ。

 アルトが起こしたこの制服事件、地味な容姿のこの少年、能力や素質が派手過ぎるのが困る。何事も宇宙基準の為に、地球では予想が出来ないのも頷けた。


 緊急メンテも続くために、当座はリアルばかりの状況に、退屈はしないようだ。


「バカ1号」

「なんでお前は罵倒ばかりする」

「暇」

「やれやれ」


 アルトがサツキの手を取るすると、姫が思いっきり止める。


「ダメですよ半分」

「なんでだよ」

「サツキばかり特別扱いするからです。サツキだけには大甘」


 鋭いというべきか、この友人はよく観察していたらしい、侮れない友人であった。

 アルトの方は反対を受け思案中、サツキとしても美術館に今直ぐに行きたいためアルトの手を握る、姫の方は面白くなさそうにサツキを睨む。

 アルトが納得してから渡り。


 現れた一つの美術館の前、エルフの人々が暮らす王都のど真ん中にある宮殿の中にある国宝美術館に、サツキは再び場違いな気分になる。


「ちわっす」


 受付に挨拶し、エルフの担当者は用件を聞き、通してくれた。

 何かとあちらこちらに顔の効く奴だと思わずにはいられない。

 内部の方はエルフの美意識の中にいる様で、長く続く木製の回廊、見事な木工芸術の中に続く、飾りの一つもサツキでは格が違う腕前、見学したいが、永遠の寿命を持つエルフの気は非常に長く、普通の種族では理解できない事が多い。

 アルトが進む中、一つの回廊の行き止まり、サツキを手招きし進む、一つの彫刻、木製かも知れないが、サツキとは違った意味での秘宝級、何故アルトがここに来た理由も理解できるようなものだ。


「どうする?」

「どうする?ってどう意味よ」

「買うか?」


 思考が停止するサツキに、非常識しかないバカ1号は秘宝級を取る。

 歩きながら秘宝級の木工細工を適当に持つ、サツキは頭が沸騰し掛けるが、ここは我慢した。

 受付まで戻り、受付の人は沈黙、アルトが伝えると、エルフはサツキを見てから思案した顔で、上司に連絡、連絡が届きエルフの男女が現れる。

 見た目レベルは世界級、秘宝級は見劣りするような格の違い、歩く芸術品のような男女だ。アルトとにこやかに会話し、男性の方が納得した後にサツキを見る。

 職人であるサツキは理解した。

 木工の細工を貰う代わりに、サツキの細工を提供するという条件のもとに成立しているのだ。プレッシャーどころではない。

 猪のサツキでも気が遠退くようなものだ。


「OKだそうだ」


 細工の神に祈る、このバカ1号の首を刎ねさせてくださいと、しかし神は無情にも拒否した。


「帰還するぞ」


 サツキの手を取って帰還。

 戻ってきた自宅、秘宝級の宝をサツキに渡し、女子からの視線が痛い。

 ひとまず逃走。

 姫の方は仕方なしに追う。

 忍者達の、アルトを主君と仰ぎ、甘い時間と幸せな時間を追求しようとする女の子の二人、ボーイッシュな小波と、見るからに女の子の姫野がアルトの両隣に座る。


「なんでかね」

「酷いっす主君」

「そうです酷すぎます」


 糾弾の話し合い、アルトの基準からすれは特に問題が無いが、どうも二人には許せなかったらしい事は分かり、修行が足りない二人だと思う。


「細工師の腕前はあげておくほうが良いと思ったが」


 二人も思い起こし、サツキはイーニャの細工師、上げておいて損は全くないが、女の子としては複雑なもの、簡単ではないが、難しい問題でもない、ただ納得がいかない。


「という訳で行きましょう」

「そうっす」

「了解」


 二人の手を握ってから渡る、忍者の惑星の町、再び現れたが、何かが根本的に違う。

 真正面にあるのはトレーニング施設、困惑する二人に、アルトは連れながら中に入り、非常にごつい竜人の忍者に話し、二人はトレーニングを受ける結果となった。

 アルトはこれで少しは修業が出ればと思う。


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