見覚堕崩
夢を見る。
それは甘い甘い幻想の世界。
全てが上手くいくそんな場所。
この世の楽園と呼ばれるような景色が広がる。
それは夢のような世界。
夢から覚める。
それは辛い辛い現実の世界。
全てが上手くいく、そんなことは無い世界。
この世に確実という言葉は無く、時には絶望的な光景も映る。
それが現実に広がる世界。
夢へと堕ちる。
それは甘く辛い幻実の世界。
全てが狂い行くおかしな世界。
この世に楽園が広がり、確実という因果が外れた世界。
それは果たして現か、虚か?
そして夢は崩れさる。
それは世界の崩壊。
観測する者がいない世界。
自分という観測者を失った場所で映る者は何か?
狂うを通り越した先には破壊が待つ。
精神の死というのは一体どういうことを指すのか?
夢から覚めた夢を見る為に夢へと堕ちる。
それに気付いた貴方はそれに気付けるのだろうか?
気付いてしまったらどうなってしまうのか?
在りもしない幻を見て、そのままの現実を見て、甘い夢を見ようとしてそれが夢だと知った。
そんな貴方の夢は壊れてしまったのだ。
世界の美しさを、醜さを、厳しさを、儚さを。
それを知って、終わってしまった。
夢から覚めれず、夢は見れず、夢へと堕ちれず。
それでも見ようとするのは現実か幻か。
無理に見ようとするには苦痛を伴う。
苦痛を伴うものが果たして夢か否か?
それでも見続けるのだから壊れているのだろう。
そんな貴方は死んでいる。
これは夢。
これは現実。
これは幻実。
現。
虚。
…。
。
おはよう。
おやすみ。




