ロキ
こんにちは。芽実です!
ちょっとユーザー登録してみたのでなれるように二作品目アップです。
またしても短編……。
「ロキの伝説を知っているかい?」
「はぁ? “ロキ”?」
外は嵐。風や雨が吹き荒れる。
本日はこの古い木造の空き家で過ごすことになった。
何となく心もとない表情を浮かべた少女は口にたばこをくわえて白い息とともに吐き出した。あぐらをかいた少女はどこかやさぐれていて、世界で何がおころうと興味がなさそうな雰囲気を持っていた。
目の前にいる老婆はどこからきたのかもわからない。老婆、と記したが、歩き姿はシャンとしていて本当に老婆かは定かではない。たるんだ肌や皺だらけの顔を見る限り、若いとは言い難く“老婆”と記させていただこう。
そんなお互いに出身も名前も知らない2人が偶然的な嵐のせいでこの古い空き家でしばしの間時間を共有することになったのだ。
「そう、ロキだよ」
老婆はどこか安心したような笑みととられる表情を浮かべた。しかし、その瞳には依然として寂しさが残っていた。
「昔、むかーしの話だよ。ロキという悪戯好きの神様がいてね」
少女は何かに取りつかれたようにその話に耳を傾けた。タバコが落ちたのにも気づかない。
話自体に引き込まれるように少女は感じた。なんだか急にその神様が近くにいるような気がした。
「神様に捕まってしまうの」
「え?」
悪戯のしすぎでね? そう付け足した老婆。
少女はただ、老婆を眺めた。
「でも、巨人と神様の戦争のときに脱走して、戦って、亡くなったそうだよ」
老婆は視線を床に落とした。少女はそのバットエンドな結末に口を手で覆った。
そんな少女を見て、老婆は口を緩やかにあげた。
「私はね、勝手になんだけどね……ロキは人間に近い神様だと思うんだよ。ロキのしでかした厄介ごとは不完全なものが多いからね。だから、ロキは神様なのに人間に近い存在のような気がするんだよ」
「え? なんで?」
少女の落としたタバコから、火の手があがった。それは徐々に、広がる。静かにパチパチと鳴り響く。老婆はうっすらと笑みを浮かべた、ように見えた。
「人間も不完全でしょう?」
人間に近い神様……それはなぜか空気のように、少女の近くにいる錯覚になる。少女の生み出した火。その火は、ロキの話に勢いをつけるように燃え上がり、少女と老婆は火に取り囲まれた。
「ロキの魂は……」
老婆は口を開いた。そして自分に寄り添っている空気をいとおしそうに見つめたまま言葉を続けた。
「ロキの魂は今も蛇の毒を顔からかぶっているの」
老婆の言葉にはどこか強く、説得力があった。死んだはずのロキがいるわけないのだけれども。
「今も……」
老婆は今にも泣きだしそうな顔を上げた。―助けてあげて、と震える声で絞り出すように言った。ロキを助けてあげて、と。うわ言のように何度もつぶやいた老婆に少女は理由もなくうなずいた。そして導かれるように立ち上がった。小屋には影がひとつ、残った。
「また火事か?」
「あぁ伝説の“ロキ”の魂を癒す小屋だ」
「その小屋、100年に一回同じことが起きるな」
焼けた小屋と村の文献をみながら男たちは怯えたように言った。小屋の前には綺麗なままの老婆が横たわっていた。
End
いかがだったでしょうか。
これは友達と神話の本を眺めながら
「なんかお題だして書こうか」
っていう無茶振りのすえの作品です(笑)
文才がほしい!
もっとちゃんとロキについて書きたかったなぁっていうのが心残りです。
ていうか、これジャンル、どれにしよう?
感想やアドバイス、待ってます!