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後編-夕焼け


帰り道、校舎を出て門に向かっていると

涼の姿が目に入った。


特に一緒に帰ることにしてはいないし、

一年と二年では終わる時間が違うのでそうそう会えないのだが。


たまには一緒に帰ってみるか。


そう思って呼びかけようとした

「りょ・・。」

が、涼は下駄箱から出て来た女の子に囲まれてしまった。


そうだ、涼は人気があるんだった。


私たちはあの変哲な屋上でしか会わない。

お互いに誰かに言う、ということもないので

私たちが付き合っていることは誰も知らない。


仕方ないか。


遠目から見ていると、涼が女の子達に腕を捕まれたり、手を握られてたりしていた。

涼はポーカーフェイスを保っている。


・・ん?

なんだ?

何か、イライラする。

なんでだ?


私が道に突っ立て考えていると、

涼と目が合った。


やばっ


冷静に考えれば全く逃げる必要などないが、

訳もなく私の足はスタスタと門へ向かっている。

と、そこに

「先輩。」

涼が後ろから声をかけてきた。

恐る恐る振り返ると、涼のぼけっとした顔と、乙女たちの突き刺さる視線があった。


なんてことを・・。

女の子ってどうしてこう恐ろしいのだろう。


私が固まっていると、


「先輩、助けて。」


いや、言葉と顔が合ってないだろ。


「ねぇそれってど〜ゆ〜ことぉ?」

「てかあいつだれぇ?」

「なんかびびっちゃってない?」

キャハハハ、と女の子達は嘲笑した。



めんどうなことになってしまった。

ギャルの言葉はアホくさくて、私にはどうでもよかったけど。


それにしても助けるって、どうしたらいいんだ。

その時、キャピキャピした声に囲まれている涼の雰囲気が、


・・あれ?

怒ってる?


尖ってきた。

ギャルは気付いていないらしく、涼に構わず話しかける。


「・・れよ。」

「え?何?」

「どーかしたぁ?」

「ちょっと待った、涼何か・・」

一人は気付いたみたいだったがもう遅い。


「黙れよ。」


ギャルは涼のまさかの言葉に驚いている。


あーぁ、やっちゃった。

涼はうるさいとキレるのか、なんて思っていると

「先輩を、悪く言うな」


え!?

原因私!?


「な、何ムキになってんのぉ?」

「涼あんなのと仲良かったっけ?」

「話してるの見たことないし。」


涼はギャルを一瞥し、私のところまで歩いてきた。

「ど、どした?」


その言葉を無視して涼は私を腕の中に抱き抱えた。

「先輩は、俺の彼女だ」

・・顔が赤くなっているのを感じた。

でも涼の腕の中なので外に見えることはない。


「えーっ!?」

「聞いてないょっ」

「てかそんなののどこがいいわけっ?」


非難の声が聞こえてくる。

まぁシカトしていればそのうち収まるだろう。

しかし、

「じゃぁ今ここでキスしてみてよっ」

ギャルの一人が言った。

バカのくせにこんなときだけ悪知恵思いつきやがって。


もぞもぞと動いて顔をだして見上げると、

涼は困っているようだった。


人前でするのは苦手なのか。

屋上だったらいつも迫ってくるくせに・・。


私は半分呆れた。


「できたら認めてあげるわょ」

「そ、そうょ。恋人なら出来るでしょぉ?」


お前ら涼に纏わり付いてたんじゃなかったのか。

私は何が何だか分からない。

涼は未だに止まったままだ。


「出来ないの〜?」

「その人何にも言わないしぃ。」


さっきのイライラが沸々と再び沸き上がってきた。

何だこいつら、涼のこと全く分かってない。


涼は追い詰められるのが苦手だ。


どうしたら−


「ホントは嘘なんじゃないのぉ〜?」


私はついにキレた。


涼を自分から突き放す。少し涼はよろめいた。


「あ、やっぱり嫌われてんじゃ・・。」

ギャルはそこで言葉を止めた。

いや、止まってしまった。


涼のネクタイを手元に引き寄せ、

近づいた涼の口に自分のを押し付けた。


ネクタイを緩め涼を解放する。

「これでいいんだろ?」

半ギレ状態でギャルを見ると

揃ってアホ面をしていた。


「ぅ、うわぁぁんっ。」

一人は泣き出して走っていってしまった。

本気だったのか。


「ちょっ、ミキっ。」

「えっ?待ってよぉ。」


バタバタとギャル達は去って行った。


ほっとして涼を見ると、涼は片手で顔の下半分を覆ってそっぽを向いている。


「・・?どうした・・。」


回り込んで覗き込むと、

涼は真っ赤になっていた。


私はクスクスと笑った。


可愛いなぁ。

普段はクールなのに、攻められるとダメなのか。


「な、なんだよ。」

「別に?」

私がニコニコしているのが気に入らないらしい。


「帰ろっか。」

「おう。」


ちょっと考えて、

歩き出した涼の手を捕らえる。


そしてこの間親友に教えてもらった『恋人繋ぎ』というもので、涼の手を握ってみた。


「なっ・・!?」

「どうかした?」

ニヤニヤしながら聞いてみる。

涼は赤すぎて顔から湯気が出そうだ。


「・・別に。」


そういって私の手を握り返した。



私たちはずっと手を繋いだまま、帰っていった。



−そのせいか、それともギャルのせいか。

翌日には私たちのことが知れ渡っていた。


色々言われたりもしたけど、屋上はいつも通り平和だったとさ。



−おわり−



「カメラは嘘をつかない」

番外編でした。


ふざけまくりですいません;w

これはバカップルに入るんでしょうか?




ちなみに番外編はもう一つ考えてるんで、

お楽しみにーw

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