1話
処女作ですので、温かい目でお読み頂けると幸いです。
また、表現等に何かありましたら、教えて頂けると幸いです。
「ドォォォン!」
激しい音が鳴り響く。雷が落ちる音だろうか。
「おいおい、またかよ」
「最近近くなってきてる気がするわね」
「ああ、気を付けないとな」
「行くぞォォ!!」
「オ゙オ゙オ゙!!」
今度は兵士の雄叫びだ。
ここはヴァルディ北西部にあるミトという小さな村。
祖国ヴァルディは、敵国ペクトと戦争真っ只中である。
「ティル、あなたも気を付けなさいよ」
「じゃぁないと、敵兵に殺されるかもしれないからなぁ。ガッハッハ」
「⋯わかってるよ」
これはお母さんと、、、うるさい男の方は父親だ。
⋯残念なことに。
「ったく、なんでそんなに冷てぇんだぁ?」
「⋯⋯」
「っしゃーねーな。今度お前の好きなアイスを買ってきてやるからよぉ」
「⋯ぁりがと」
「おう!」
いつもこんな調子だ。
めんどくさいから放っておいてほしい。
自分の名前はティルシルク=ヴィスト。周りからはティルと呼ばれている。
能力実力主義のこの世界で、無能力者という最低地位で、貧しい暮らしをしながら日々なんとか生活している。
性別は女、、、と言いたいところだが、男だ。
はぁ、女に生まれたかった。
「おぉいティル、何読んでるんだぁ?」
「⋯小説」
「んなこたー分かんだよ!なんてタイトルなんだって聞いてんだよ!」
またもや父親が話しかけてきた。
⋯うざい
この頃はそう思ってた。
ああ、愚かにも
ある日、そんな”日常”が壊れるとは思いもせず。
「きゃーーーー!」
「や、や、やめてくれ、たずけでぐっ、がはっ⋯」
そう。”いつも”とは、なくならないのが当たり前なのではなく、続いていること自体が奇跡なのだ。
「い、いやぁ!!」
———青い軍服、ペクト軍だ。
あちらこちらで悲鳴が聞こえる。
村は混乱状態で、ペクト兵に立ち向かおうとする人もいれば、泣きわめくだけの人もいた。
「くっ、!」
そんな中自分は逃げ出してしまった。
「はぁはぁ」
村を抜け、どこか遠くへ。
家族を見捨て、
「はぁはぁはぁ」
友達を見捨て、
「はぁはぁはぁはぁ」
一人で。
「お父さん、お母さん...」
意識が吹っ飛ぶまで、息も忘れて走った。
「っ! ⋯こ、ここは?」
「おう、目ぇ冷めたか」
「えぇっと、あなたは? っていうか!!お父さんお母さんは!?!?」
「まー1回落ちつきんしゃ」
聞くとこの男性はクォカに住む商人のヘンスさんという方で、道端で倒れていた自分を連れて帰ってくれたそうだ。
クォカはミトから30km程離れた場所に位置する、ヴァルディ北部最大の都市だ。
あまり覚えていないが、自分も小さい頃、親に何度か連れてこさせられたことがある。
「⋯ミトは、、壊滅させられたっちゅー話だ...」
「っ!壊滅って!?村の人達は!?!?」
「すまんけどよぉ、そこまではわからにゃー」
「あっ、ごめんなさい」
お父さん、お母さん...
大丈夫かな。
そんな思いを胸に抑え込め、自分はヘンスさんと生活していくこととなった。
「らっしゃいらっしゃい!安いよ安いよ!!」
「そこのあんちゃんおいでよ!」
自分は今、ヘンスさんに連れられ、商店街に来ていた。
ヘンスさんに商売のお手伝いをしてほしいと言われ、ついて来たのだ。
「すまんなぁ、ティル」
「いえ、僕はヘンスさんに助けてもらったので」
そんな会話をしながら、ヘンスさんの店まで歩いていると、
「ドンッ!」
誰かにぶつかった。
その人は背が高く、シュッとした印象の女性だった。
「あ、ごめんなさい!」
「⋯」
「⋯?」
何故か見つめられている。
「あ、あのぉ...?」
「貴様、私の旦那になれ」
⋯⋯ん?
いや待て待て、この人はなんと言った?
僕の聞きマチガエの可能性もあるだろう。
よし、聞き直そう。
「えっと、よく聞こえなくて⋯ もっかい言ってもらえますか?」
「だーかーらー、私の旦那になれって言っているんだ!!」
聞きマチガエじゃなかった。
何なんだ??この人は。
「はあ、取り敢えず!!こっちに来い」
「あぇ!?はぁ??」
そうやっていきなりプロポーズしてきた謎の女に、強引に引っ張られて行くのであった。
お読みいただきありがとうございました!
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