第三話
第三話
冒険者ギルドに向かう道中、ショーウィンドウの中にある商品が気になった。とても綺麗で可愛らしい魔法使いの杖のようなものだ。近くで見ようとショーウィンドウに近づくと自分の姿が映った。
「えっ!」
自分の姿を初めて見た。陶器のような白い肌に星のように輝く銀色の髪。そして、宝石のような透明の澄んだ金色の瞳。白色のショートドレスの裾には星のような飾りが付いていて、その上に着ているフード付きの羽織の袖やフードには金色の刺繍が施されている。羽織は胸元で止められていて、そこについているブローチは綺麗な星の飾りがついていた。
(結構可愛いし、耳尖ってる…?)
私は自分の耳をつついたり引っ張ったりしてみたが、本物で間違いないようだ。
(違う違う。杖を見に来たんだった!)
杖のデザインも私が今着ている服に似合いそうなデザインをしている。今はお金が無いので、冒険者ギルドでお金を稼いだらまた買いに来ることにした。その為にも冒険者ギルドに早く向かわなければ!
「すご……!でっか!」
冒険者ギルドの前に立ちその大きさに驚く。城ほどではないが、この街の建物で2番目か3番目ぐらいに大きい建物が冒険者ギルドだった。建物の壁はアイボリー色の粘土レンガでできていて、正面の中心には暗い色の木材で作られた立派な扉がある。扉を開けて中に入るとたくさんの人で賑わっていて、真っ直ぐ行ったところには受付らしきカウンターが5台ほどある。全ての受付に人が沢山並んでいるので、私も1番並んでいる人が少なそうなところに並ぶ。30分ほど待って自分の番が来た。
「こんにちは!本日はどのようなご要件ですか?」
可愛らしい受付のお姉さんでポニーテールがよく似合っている。
「あの、冒険者になりたくて…」
「冒険者登録ですね!ではこちらに手をかざして下さい」
お姉さんが出したのは丸い水晶のようなもので、中心の方ではよく分からない文字が円を描くように回っている。言われた通りに手をかざすと水晶が光り文字が沢山出てきた。
【名前:レイシェン 年齢:158歳
性別:女性 種族:神族
オーラ:なし 魔力:星魔力】
「へぇ〜。神族って珍しいですね。星魔力を持っているので職業は星魔導師がおすすめです。どうしますか?」
「じゃあ。それでお願いします」
「はぁぁぁぁー!?」
その後も色々説明を受けていると、横の受付から叫び声が聞こえてきた。一瞬で周りの喧騒が静まり返り、声の主の方を向く。
「なんでチーム組めないの!?」
「ですから、チームは階級が近い人としか組めなくて、現在、アルカ様と近い階級の人はチーム募集を出していないため…」
少女のために受付の人が必死に説明している。
(チームなんてのもあるんだぁ)
他人事のように少女の方を見ていると、少女が急にこちらの方を見た。そして少女と私の目が合うと、こちらに向かって歩いてきた。
「ねぇ、あんた、今冒険者登録したばかりでしょ?私とチーム組んでよ」
「でも、レイシェン様は本当に今登録したばかりでD級ですよ?」
私が戸惑っていると受付のお姉さんがかわりに答えてくれた。
「大丈夫よ。私まだC級だもん。で、組んでくれるの?くれないの?」
「では、まず、レイシェン様にチームについて説明しますね。ギルドでは2人組で組むものをチーム、3人以上で組むものをパーティと呼んでいて、個人の階級の差が少ないもの同士がチームやパーティを組むことができます。活動は基本チームやパーティで一緒に行い、そちらにも階級がつきます。アルカ様と組んだ場合、チーム階級はC級になります。どうなさいますか?」
焦りもあったからか結構早口で説明されたので、よく分からなかった部分もある。取り敢えずチームというのは自分と相方の冒険者が協力して依頼をこなすことが出来るということなんだろう。
「いいよ。いいけど、私お金持ってないよ?」
「任せて!全然大丈夫だから!一緒に稼げばいいでしょ?」
受付のお姉さんは2人が了承したのを確認し、チーム登録を行ってくれた。
「チーム組んでくれてありがとう!私はアルカ、よろしく!」
アルカは私に握手を求めてきた。私は出された手を握り返した。
「うん、私はレイシェン。よろしくね」
「それではチーム名を教えて下さい」
私たち2人は揃って顔を見合せた。チーム名が必要だなんて思っていなかった。アルカも考えていなかったようで、真剣に悩んでいる。すると、急に閃いたような顔をした。
「じゃあ!ナイトでお願いします!」
「ナイトですね。かしこまりました」
咄嗟に名前が出てくるなんて凄いなと素直に関心した。
「チーム登録が完了しました。お疲れ様でした」
チーム登録は冒険者登録よりもすぐに終わった。まぁまだこの世界に来て1日目だけど、これからはアルカと一緒だからとても心強い。
「じゃあ!早速依頼受けに行こ!」
私たち2人は依頼が貼り付けられている掲示板の方に向かった。




