レントゲンを撮ってほしいっす
ここは町離れの小さなクリニック。
僕の楽しい日々の記録
本日来院されたのは20歳代の男性。
くすんだ金髪を逆立てて、語尾には「っす」ってつけるいかにもヤンキーって感じの男性。
診察室に来た彼の開口一番は「俺、肺炎にかかってるんだと思うんっす」だった。
・・・何を根拠に??と考えているうちに彼はいろいろと思っていることを話し出す。
そこに肺炎と考えた根拠は見当たらない。
しゃべり続けている彼の言葉に耳を傾ける。
そして彼が一通り話し終えたのを確認して、やっと診察に入れる。
のどが赤くはれているが、肺の聴診の異常は感じられない。
咽頭炎かな。
肺炎の可能性が低いことを説明し、薬を処方する旨を伝えた。
しかし、彼は「俺、レントゲンを撮ってほしいっす」と言い出した。
再度説明するが、彼は「レントゲンを撮ってほしいっす」っと繰り返す。
明日も予約が入っているのでスムーズにできるのは朝9時。
病院が開く時間だよ。と説明し、一応薬を処方し帰っていった。
いかにも夜中まで遊んでいそうな風貌であったため、明日来るかな?と少し気になる
朝、彼は8時50分には駐車場で待機しており、9時に受付した。
「10分前行動は常識っす」と話す彼。
見た目で判断してはいけないなと反省した。
反面、くすんだ金髪のいかにもヤンキーがちょっとかわいく思えた。