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目を覚ましたら日本という国に転生した

アルフォート国ーー


緑が豊かで作物も豊富な上、宝石が沢山採れると有名な国でもある。《私》はその次期王妃として、小さい頃からそう育ててられた。


私達は両家で決められた婚約者であったが、仲が悪いわけではなかった。むしろ、よく会い遊んでいて仲が良く次期王となるルイ・アルフォート…笑顔が素敵でとても優しい、金髪で済んだ緑色の瞳を持つ彼に私は……恋をしていた。


「リリー!君を絶対、絶対!幸せにするね!」


「はい!ルイ様」


「……ちょっと、二人の世界に入らないでくれる?」


「ふふ、リオンったら姉離れはまだまだね」



フと…昔を思い出していた。とあるパーティーの日、私は大ホールのど真ん中で1人で立っている。


青いマーメイドドレスを着て、パーティーには1人で入場すると、パートナーがいない、いや、婚約者である王子がいないと、ざわざわと会場は騒いでいたが、みんな私に聞こえるように囁いて話す。


「…シルベリア家のリリー様よ!悪女の…」


「なんでも、気に食わない人がいたら、火傷を負わせたりするらしいわ!」


「あぁ、だからか。王子様に冷められたのも無理ない。次期王妃として相応しくないな」


目の前にいる愛しい彼は、私を睨みつけていた、そして、隣りにはピンク色の髪で私とは正反対の可愛らしい容姿の彼女…ユリアン様を庇っていた。


ルイ様は私に向かってこう叫んだ。


「リリー・シルベリア!!今夜を持って婚約を破棄する!おまえは嫉妬に狂い、我が愛しのユリアンに酷い嫌がらせをしていると報告を受けた!この!悪役令嬢めが!」


私は今日初めてその可愛らしい容姿のユリアン様とお会いしてる筈なのに、誰も耳を傾けてくれない。……愛しいルイ様は冷たい目で私を見てくるのがとても辛い。


優しかったあの眼差しはもう見れない……とても好きで…愛していた彼…貴方に似合う為、勉強もレッスンも頑張っていたわ。でも貴方は違かった…段々と成長すると、息苦しいと苦い顔をするようになり私達の間に、距離が生まれた。だからこれは私が悪いんだわ…。


「……ッルイ様」


泣きたいのを我慢しながら、私は精一杯震える声で彼の名を呼んだ。


「お慕いしておりましたわ……お幸せに」


泣くのは我慢しましょう。私は笑顔を向けてその場から立ち去った。シルベリア家の者は簡単に泣いてはいけないもの…。


会場にいる周りの人達は、気味が悪いと私を避けて道を開く。私はグッと堪えて、自分は何もしていないし、無実なのだから堂々と前を向いて歩き出した。


「……あんなことをしていて、あの悪女は図々しいな!」


そう言われつつ、私は会場から出た。後ろを振り向いたら、また何を言われるかわからないので、自分の家の馬車が既に待っていたのを見て、ホッとしつつ馬車に乗ろうとした時ドアからメイドが出てきた。


「リリーお嬢様!」


私を心配していたのか、メイドのナナが私に抱きついた。義弟のリオンが留学しに行ってから、屋敷で私の味方はこの子だけだったわね…。


「ナナ、苦しいわ。私は大丈夫よ」


「ですが…ぐすっ…わだぢ、ぐやじいですぅ!」


私より泣いて悔しがるナナを何故か私が慰める。ふふ、でもその気持ちだけでも救われる…。


「…ありがとう、ナナ」


私は馬車に乗り、屋敷に着いたらどうお父様達に説明をするか考えていた。あの親達の事だ、多分私を見限るわね…ただ、義弟のリオンの事だけ気になるわね…。あの子はなんて言うかしら…みんなの話しを信じるかしら…それとも…。


途中馬車から、湖が見えた。


あそこは幼き頃ルイ様と一緒に遊んでいた場所だわ。…懐かしい。


「少し止めてちょうだい。湖を見に行ってくるわ」


「お嬢様…」



メイドのナナは心配そうに私を見つめるが私はナナの頭を撫でながら笑顔を向けた。


「大丈夫よ」



城から少し離れているこの湖の景色だけは変わらない…ここだけは変わらないのに、人というのは変わってしまうものなのね。



「……私は……私は、ルイ様…貴方への気持ちは変わりませんでしたのよ?」


青く澄んだ湖に映っている自分にそう話しかけると突然馬車から悲鳴が聞こえた。


「きゃあぁあああ!」


ナナ達の悲鳴!?私はすぐに戻ろうと降り向こうとしたら、ふわふわとしたピンク色の髪の女性が目の前に立っていた。彼女が何故ここに?


「……あんたなんか、死んじゃえ」


ドン!!!



………………え?

ルイ様と一緒にいた令嬢ユリアン様だった。


どうしましょう……私泳げないのよね…。

どんなに手を伸ばしても、もがいても、息苦しくても、誰も手を差し伸べてくれない…。


あぁ、もうダメだわ。……私…ここで死ぬんだ。







その時誰かが私を呼んでいる。


「リリー!すまなかった、目を覚ましてくれ!…でお願いだ…お願いだから目を覚めて…」




真っ暗な闇だわ……



だけど…誰かがまた「私」を呼んでいる。



《紫苑、!目を覚ましてっ》


……誰?シオン?

目を覚ますと知らないベットに私は寝ていた。そんな私に、見知らぬ夫婦と思われる男性と女性がそばにいて、女性は私を抱きしめた。


「貴方!紫苑が!目をさましたわ!」


見慣れない顔だわ…異国の方かしら?どこの国かしら?扉の向こうには一人の黒髪の男の子が腕を組みながら私を睨んでいた。


「……図太いやつ」


そう呟いた時、私のそばにいた男性が男の子を叱っていた。


「こら!姉にむかってお前はなんてやつだ!」


え?姉?誰が?私??


「あの……申し訳ありませんが何処の家のものでしょうか??」


「「「………え」」」


三人は驚いた顔をしているけれど、むしろ無礼なのは貴女達よ?私は仮にもシルベリア家の令嬢なのに、いきなり抱きついてくるし。まあ、メイドのナナも抱きついてくるけど…。


「あ、あなた。紫苑が丁寧な言葉を…話してるわ」


「礼儀ただしい…」



「…気持ち悪い…」


先程の男の子は私を化け物のように見てきます。



「…あの…貴方方は誰ですか?」



この一言で周りは騒ぎだした。医者もきたり、周りの方々も続々と…私は自分の顔を見る為鏡を見たら黒髪で長いウェブが巻いてある。瞳色は焦げ茶。


え?だれ?私?

金髪よ?私の家系は代々金髪だったはず。


どうやらここは私の知らない世界の国


日本というところ…


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