AIのべりすと紡ぐランダム小説2
空が朱色に染まり、雲もそれにならって半分色づいていた。
「……はぁ」
ため息をつきながら俺は窓際の席から立ち上がり教室を出た。
いつも通り屋上へ向かう。今日は特にやることもない。ただ暇つぶしにゲームでもしようかなと思っているだけだ。
階段を上がりドアを開けると、そこにはもう先客がいた。
赤いダイヤ型の連なりの中に一本の影、その影は湿った風と共に揺れていた。
夕日に照らされた彼女はこちらを振り向くこともなく、ただひたすらに空を見上げている。
「…………」
俺も特に声をかけることなくフェンスにもたれかかり、ポケットからスマホを取り出した。
そしてイヤホンをつけて音楽を流しつつ、彼女のように空を見上げる。
この時間帯は嫌いじゃない。学校の授業という縛りがないだけでこんなにも世界は広く感じるものなのかと思った。
ふいに、肩に何かを感じた。横を見ると彼女が俺と同じようにフェンスに寄りかかっていた。
彼女はこちらを見て微笑む。
「やっと話せるね」
そう言って彼女はまた空へ視線を移した。
「やっと?」
疑問を口にすると、彼女は首を縦に振った。
「うん。やっとだよ」
そして彼女はまた笑みを浮かべる。今度は少し寂しげな笑顔だった。
「君さ、私と話したかったんでしょ?だからこうして毎日ここに来てたんでしょ?」
図星だ。
「毎日一人で友達も連れず一人で過ごしている女子なんて、なんかこう……おもしろいだろ?」俺の言葉を聞いて彼女はクスッと笑う。
「まあ確かに変だけど……。そんなことないよ。私は嬉しいんだ」
「何が?」
「君みたいな人が来てくれて……」
「なんで?」
「だって私と同じだから」
同じ?
「みんな私の事変わってるとか、不思議ちゃんとか言うし」
「俺は一人で過ごしたいだけだけど?」
「それ!私も同じなんだよねー。周りに合わせてる自分が嫌になる時もあるけど、やっぱり自分らしさを貫けるほど強くないし……」
そう言い終えると彼女は目を細めて遠くを見た。
「君はすごいと思うよ」
「どこが?」
「自分の気持ちを押し殺して自分以外を尊重できるんでしょ?」
「それは違うんじゃないか?自分の気持ちを殺してまで他人を優先するのは良くないことだ。俺はそれができない人間なんだ」
「じゃあ君はどうして毎日ここに来たの?」
「ただ単に屋上が好きっていう理由と、あとは……」
「あとは?」
「ここで本を読んでいる時の君の表情が…その……うん、おもしろくてね」
彼女は驚いた顔をした。そしてすぐに頬を赤く染めた。
「そっか……」
「ああ」
それから俺たちの間に会話はなかった。朱色に染まっていた雲が藍色に移り変わるのをただ眺めていた。
おわり