主婦の頭の中 24
男はやると冷めて、女はやると好きになるという話はよく聞くが、本当にその通りだ。
男の何が好きだったのかわからないが、すっかり気持ちが入ってしまった。
男はあの時どんな気持ちだったんだろう。
ただ肉体的な快楽を得るために口からでまかせに色々耳心地の良い言葉を並べていたのだろうか。
あの日、家に帰ったあと男からは連絡がなかった。
しかし、終わったあとに確認したじゃないか。一度きりの関係ではないと。そうだ連絡はくるはず。待とう。待とう。
一体何時間待ったのだろう。自分から連絡をした。内容は記憶にないが、昨日はありがとう。そんな内容を送った。それでも返事がなかった。
結局ご飯も喉を通らないまま夜になった。
そして、夜中の12時を過ぎた頃にようやく返事が来た。海に行ってたよ。
え…それだけ?こっちはご飯も喉を通らないくらいのギリギリの心境で連絡を待っていたのにむこうはなんにも考えちゃいないのか。
いや、しかしとりあえず連絡が来たことで安心した。電話していい?すぐにかけた。
電話に出てくれた。
私は半分泣き出してしまった。もう連絡こないかと思った…。
海に行ってて連絡できなかったんだよ。
あっけらかんとした返事。
けど何時間もだもん…したあとにいきなり連絡できなくなったら捨てられたと思うじゃん。
私が涙声で言う。
ほんとに仕事だったんだよね。男がそう言う。
なにかモヤモヤしていたが、仕事と言う人にそれ以上何も言えないのだ。
男は、そんなに淋しかったんだね。といって、まんざらでもない感じ。