主婦の頭の中22
布団に入っても、全身の細胞全てが起きていた。緑茶を何杯も飲んでカフェインを大量摂取したときみたいに頭はぼーっとしているのに眠くなかった。
しかし明日もしんと会う約束をしているのだ。
早く寝ないと…と思って無理矢理気持ちを落ち着かせて目を閉じた。
朝しんからの連絡で目が覚めた。
時計を見ると朝7時だった。
今日何時にうちに来る?
朝の10時って言ったけど、眠いよね?11時にする?
そんなメッセージだった。
うん、11時でいいよ?!私も寝不足だったのでそれで良かった。
その後また、昨日は楽しかった。歩いて家まで帰った時本当は手を繋ぎたかった…。
とメッセージがきた。
一気に目が覚めた。そんな風に思ってくれてたのか。私も…とすぐに返事をした。
より子が結婚していなかったら、普通に付き合ってたよね、僕達。
うん、話してて楽しいなって思う人ってそうそういないから、本当そう思う。と返す。
結婚していなかったら…そうか…結婚していなかったら…私はその文字にずっと目が止まっていた。
どうして昨日手を繋がなかったの?と間髪空けずにメッセージがくる。
もし手を繋いでいたら、そのまま止まらなくなりそうで、怖かった。と返す。
すると、一線を越えなければ良いんじゃない?そんな核心的な言葉が送られてきた。
うん、一線を越えなければいいかな…。けど、しんはまた結婚相手探してるんじゃない?私なんかと過ごしてたら時間が無駄になっちゃうよ。と送ると
僕はバツイチだよ。今は結婚なんて考えてないよ。
その返事を見て、そうなんだ…。すぐに結婚相手を探してないのか。と思った。
テンポよく、やり取りが続いた。そうこうやり取りをしているうちに
もう目が覚めたのでむしろ早く会うかということになり、すぐに歯を磨き化粧をしてタンスの中にあった一番ましな服を引っ張り出して慌てて着替えた。
それからいそいそと男の家に、息子が3年通った幼稚園に送迎していた道を通り男の家に向った。