心的外傷後ストレス障害
母の病状は治らないと僕が産まれる前に医師に宣告されたらしいよ。
頭の中の線なのかな、僕もよく分からないけれど。
複数切断されていたらしくて、もう二度と『人』には戻れない。
僕は、精神力が強い方だと思ってる。
だってあの年齢で、母の入院してた監獄にいたもの。
ドアを開けると鉄格子でね、覗くと色々な人達が近づいてくるんだ。
中には涎を垂らしながら、もう『人間』とは言えないものになってる人が殆どだったよ。
そこの病院はね、ある意味有名だからね。
今では『精神科』ではなく別の名前らしいよ。
僕が色々な病院を点々としながら、初めに門を括った場所。
それがこの病院でもある。
僕は当時パニック障害と言われた。
心的外傷後ストレス障害は、どの病院でも言われたからね。
そっからの派生で鬱もあるみたいだ。
僕の病名がどんなものか理解していない人もいないだろうから。
ここにWikipediaの説明一例を貼っておくね。
罪の被害者や交通事故、自然災害の被災者などにも同様の診断が示されることとなり、PTSDの診断名は広く一般的に使用されるに至った。
日本では阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件、新潟少女監禁事件、JR福知山線脱線事故の時に広く病名が知られるようになった。
1997年から2007年の間にPTSDと定義する診断と基準が変化したにもかかわらず、疫学的割合は大きく変化していない[38]。
国連の世界保健機関(WHO)は、各加盟国のPTSDの影響度を推定している。
利用可能な最新のデータは2004年である。WHO加盟国の年齢標準化障害調整生命年(DALY)レートでランク付けされた最も人口の多い25の国のみを考慮すると、ランク付けされたリストの上位半分はアジア/太平洋諸国、米国、 エジプトが占めている[39]。
男性のみ、または女性のみの割合で各国をランク付けすると同じ結果が得られるが、有意性は低いが性別ごとのランキングのスコア範囲が大幅に縮小される(全体のスコア範囲が14人に対して、女性は4人、男性は3人)ため、各国内の女性と男性の割合の差が、各国の差異を引き起こす要因であることを示唆している[40][41]。(Wikipediaより引用)
これで理解した?全て事件なんだ。僕の場合は表に出てない。
僕が「大丈夫」だと言うたから、大ごとにならなかっただけ。
そして僕はこの病名で、根が深い、薬ではどうにもならないらしいね。
「どうしたら治りますか?」
そう聞いたらさ、どんな答えが返ってきたと思う?それはね…。
『命を守れる、環境で生活をする事です』
それ以外、何の方法もないんだとさ。
僕は平気だ、感情がマヒしてるから。
慣れてる、こんな事。
自分の選んだ道だからね、責任を持つのも自分。
だから後悔なんてする訳ないだろう?
そんな事を考えながらまた今日も一錠口の放り込む。
何の効力もない、ただ痛みを和らげるだけのものを体内に入れて。
自らの精神と肉体を壊していく…。
もう戻れない…。