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声の導き



遠くから声が聞こえる。


 悲しい歌声にも似た泣き声が…。


 囁きにも似た叫び声が…。空中を回りながら、僕の身体を浸食してゆく。


 身体は動かせない。


 瞳も開ける事が出来ない。


 僕は…僕は…死んだの?


 僕は…僕は…いらない子供?


 僕は…僕は…金ずる?



 誰かに揺さぶられながら、僕の耳に聞こえるように呟く言葉が聞こえる。


 『お願い……目を…』


 なんて言っているのだろう。誰の声。


 泣き声は僕の心の傷跡を少しずつ、癒してくれる塗り薬。


 遠くで、聞こえる声を手探りで探し続ける僕の心。


 戻りたい、でも、戻れば…また……。


 複数の感情に揺られながら、海を漂う僕の身体と心。



 誰かが僕の手を引き上げる。


 お前は一人じゃないと呟くなき声が聞こえる。


 気のせいかな、僕はもう必要ないんじゃないの?


 誰か教えて心を、誰か答えを教えて、誰か僕を必要として…



 愛してよ、普通の愛を、僕に教えてくれないかい?


 残酷で、歪んだ愛情じゃなくて、温もりに満ちた本当の愛情を。



 僕は内面にインナーチルドレンを持つ、発達障害者になった瞬間だった。



 頭が舞わない。自分が何を望んでいるのかも分からない。


 ただ導かれるように、声に引っ張られ現実の世界へと舞い戻そうとする声の主。




 「まだ生きていていいの?」



 誰か答えを教えてくれないのかな。


 


 悲しみに埋もれながら、現実への世界が僕を誘う。


 そこは信じれない世界が広がろうとしてる。



 今までとは違う、僕にとって本当の地獄の始まりが、待ってる。


 そんな気がするんだ。






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