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ある意味転生チート?

 

 ”魔法が使える世界へ転生し、魔法を使ってチートする”というのは、異世界転生ものの小説ではよくあるパターンである。


 かく言う涼香も、そんな小説が大好きでよく読んでいた。



 しかし、残念ながらこの世界でも魔法というのは、物語の中だけのもので現実には存在していなかった。


 魔法への憧れが捨てきれなかった私は部屋で1人の時に、手を宙にかざして「ステータスオープン」なんて言ってみたけどやっぱり何も起こらなかった。


 しかも、偶然そのタイミングで部屋へ入って来たアンナに見られて、変な子を見る目を向けられた。


 ソフィア・ローレンス、6歳。

 早くも厨二病認定されそうです。




 なぜ、この世界に魔法がないことが分かったかというと、本を読んで得た知識と家庭教師の先生から教えて貰った知識を総合した結果である。



 家庭教師をつけて欲しいとお願いした次の日には、勉強を教えてくれる先生、礼儀作法を教えてくれる先生、ダンスを教えてくれる先生、ピアノを教えてくれる先生、刺繍を教えてくれる先生が決まっていた。


 他の令嬢はもっと早くから家庭教師をつけて学んでいるらしく、その遅れを取り戻すためにも急ピッチで講義が進められている。



 今日は、勉強を教えてくれる先生ことレックス先生の社会科の講義である。


 レックス先生はドブレフ伯爵家の三男で22歳である。現在は、貴族の令息・令嬢が15歳から3年間通い学びを深める『貴族院』という学校で研究者(前世で言えば大学院生みたいな立場)として働いているらしい。



「ソフィア様、今日はベルロアイトの近年の情勢についてお話します」


「はい!よろしくお願いします」


「まず、ベルロアイトが隣接する国々の中でも最も大きい国だということはご存知ですね」


「はい」


 そうなのだ、ソフィアの住むベルロアイトという国は大陸にあり、その大陸の中で1番大きな国らしい。


「現在は均衡を保っていますが、30年ほど前までは領地や資源を巡っての戦争が頻繁に起こっていたのですよ」



 レックス先生によると、約30年前に近隣の国との戦争を終結へと導いたのは前公爵たち、つまり私のおじい様世代の三公なんだとか。



 その後、ベルロアイトと近隣の国々の関係についてのレックス先生の講義は、2時間続いた。



 2時間も集中して勉強する6歳児がどこにいるだろうか?


 ここにいるのですよ、ふふん♪






 勉強が終わったらサロンに移動してお茶会を行う。


 なんでも、礼儀作法を教えてくれる先生の発案で社交性を養うために週に一回、どこかの講義の後にお茶会をするらしい。


 お茶会の様子は、お茶会で一緒になった先生が礼儀作法を教えてくれる先生に逐一伝える。



「さすがソフィア様です。今日の講義内容もすぐさま理解しておられましたね」


 ティーカップに優雅に口をつけながら、レックス先生は言う。


「そんなことありません。レックス先生の教え方が素晴らしいからですわ」


 今後もご鞭撻の程よろしくお願いしますと微笑むと、レックス先生は「ご謙遜を」と苦笑した。



 3ヶ月前、レックス先生に初めて会った時には、とてもびっくりされた。私は知らなかったけれど、世間では野猿令嬢なんて呼ばれてた(らしい)ローレンス家の長女がなぜ、スラスラと文字を読み、足し算引き算が完璧に出来るのかと。


 この世界の文字は平仮名ではなく英語と同じ原理である。前世の私は英語が大の苦手であった、しかしこの世界の文字はスラスラ読み書きできる。

 まあ、これはある種の転生チートみたいなものだと思う。


 足し算引き算に関しては小学生の頃からみっちりやってきたお陰で卒なくこなしている。

 足し算引き算が完璧だからと、四則演算全てをやらされてみたけど、割り算はね……、そこは転生チートが働かなかったみたいで前世と同じで余り出来なかった。まあ、まだ6歳だし…ね…。


 これからだよ…、…うん。


話を少し変更させていただきました。

掛け算と割り算が出来ない→割り算が出来ない

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