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四月二日
「あれ?」
目を覚ました安藤は首を傾げた。
「何か夢を見ていたような……だめだ。思い出せない」
とても愉快な夢だったような……変な夢だったような……そんな夢を見ていた気がするが、どうしても思い出せない。
「まぁ、思い出せないのは仕方がないか……」
夢はしょせん夢。いうならば嘘の世界だ。
大切なのは現実。本当の世界の方だ。
「もう、誰も死なせたくない」
安藤は改めて、そう決意する。
―――『最強剣士とツンデレ魔法使い』 終―――
夢は終わり、現実が始まる。
これより始まるのは現実の物語。
絶望の物語。




