表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱剣士とストーカー魔法使い  作者: カエル
四月一日 最強剣士とツンデレ魔法使い
108/140

背の低い女性と背の高い女性に出会う。あっさり倒したら惚れられた

「イチャイチャしてる!そこのカップル、止まりな」


 魔王城へと向かう道中、安藤とホーリー(ホーリーは相変わらず安藤にピタリとくっ付いている)の目の前に、突如二人組の女性が現れた。

「私の名前はハナビシ・フルール!盗賊だ!」

「わ、私の名前はアイビー・フラワーです。あの……私も盗賊です」

「金目の物を置いて、去りな!バカップル!」

 

 二人の盗賊を見て安藤は思った。

 何故、ワザワザ名乗ったのだろうと。


「カップル……カップル……」

「ホーリーさん?」

「別にカップルと呼ばれて嬉しいわけではありません。ええ、嬉しいわけではありません」

 ホーリーはポストのように顔を紅くしてツンと安藤から顔を逸らした。


「おら!イチャイチャしてんじゃねえ!さっさと金を置いて消えな!」

 ハナビシと名乗る盗賊は叫ぶ。

「あの……ハナビシさん。アイビーさん。質問しても良いですか?」

「なんだ!」

「な、なんでしょう?」


「二人とも、どこかで俺と会った事はありませんか?」


「ああ?私とお前は初対面だ」

「わ、私も初対面……です」

「そうですか……」

 アイビーとハナビシ。二人の名前もどこかで聞いた事があるような気がしたが、気のせいだったか。


「ほら!とっとと金をよこせ!」

「……すみません。それは出来ません」

「ああっ?」

「俺達の所持金は沢山ありますが、力で人の物を奪おうとする人間に渡すお金はありません!」

「はぁ、そうかよ……」

 ハナビシは大きなため息を付く。

「だったら死にな!肉体強化……『百倍』!」

 ハナビシは強化した肉体で安藤に殴り掛かった。


 その拳を安藤は片手で受け止める。


「な、何いいい!?」

 ハナビシは目が飛び出しそうになるくらい驚いた。

「お、お前……何をした」

「普通に受け止めただけです」 


 ブルー・ドラゴンやオリハルコン・ゴーレムをあっさり倒した事で、最初は信じられなかった安藤も、今は確信している。

 この世界に来て、自分は強くなったのだと。

 ハッキリ言って、ハナビシでは安藤に遠く及ばない。

「もう、やめませんか?」

「う、うるせえ!」

 ハナビシは安藤から距離を取ると、再び肉体強化魔法を発動した。


「肉体強化『二百ば……」  

「それは……させません!」

「なっ!」

 安藤はハナビシとの距離を一気に詰め、その足を払った。

 宙に舞ったハナビシの体を、安藤は優しく抱き留める。


 俗に言う『お姫様抱っこ』状態となった。


「お、お前……一体、何のつもりだ!」

「二百倍まで肉体を強化したら、体に凄まじい負担が掛かるはずです。そんな事はさせません」

「な、なんでだよ!私は敵だぞ!」

「関係ありません」

 安藤はハナビシに顔を近づける。


「たとえ敵でも、俺は貴方に傷付いて欲しくないんです」


「ふ、ふにゃあ」

 ハナビシの顔がまるでトマトのように紅くなる。全身の骨が消えたかのように、ハナビシはフニャフニになった。

 安藤は次にアイビーに視線を移す。

「貴方はどうしますか?まだ戦うというのなら……」

「か、カッコいい!」

「……えっ?」


 アイビーは太陽のように顔を紅くし、キラキラした目で安藤を見ていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ