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最弱剣士とストーカー魔法使い  作者: カエル
四月一日 最強剣士とツンデレ魔法使い
106/140

適当に剣を振ったら、ドラゴン倒しちゃいました

 ホーリー曰く、今この世界には二体の魔王が現れ人間達を支配しているらしい。

 その二匹の魔王を倒すために安藤は呼ばれたのだと言う。


 見事、伝説の剣を抜いた安藤はなんやかんやあり、二体の魔王を倒すための冒険に出るのだった。 


「あの……ホーリーさん」

「はい」

「俺が二体の魔王を倒すために召喚されたと言うのは分かりました。それは分かったんですが……」

「何でしょう?」


「どうして、ホーリーさんまで付いて来るんですか?」


 ホーリーには『聖女』としての仕事があるはず。自分と一緒に居て良いのだろうか?と安藤は思う。

「貴方を此処に召喚した以上、貴方だけを戦わせるわけにはいきませんから」

「そうですか……あ、ありがとうございます」

「いえ」

「あの……それで……」

「まだ何か?」


「どうして、こんなに近くで歩くんですか?」


 ホーリーは安藤にピタリと寄り添うように歩いている。

 恥ずかしいし、歩きにくい。 

「別にユウト様の傍に居たいとか、ユウト様の匂いを嗅ごうだなんて思っていません。ええ、思っていませんとも」

「そ、そうですか……」

「別にユウト様素敵とか、ユウト様に触れられて幸せ!とか、そんな事も思っていませんよ。ええ、決して思っていません」

「……そうですか」

「スーハ―」

「今、匂い嗅ぎませんでした!?」

「そんな事はしていません」

 ホーリーは真顔で否定する。


「グルルルル!」

 

 突然、安藤とホーリーの前に巨大な魔物が現れた。

「うわっ!な、なんだ?」

「これは……ブルー・ドラゴンですね。口から出す酸は『この世界で最も強い酸』と呼ばれています」


「グガアアアア」


 ブルー・ドラゴンは、明らかに安藤とホーリーを獲物として見ている。

「に、逃げましょう!」

「大丈夫です。ユウト様なら倒せます」

「いや、無理ですってこんなの!」

「ググウグググ!」

 ブルー・ドラゴンは大きく口を開け、酸を吐き出した。

「危ない!」


 安藤は咄嗟にホーリーを庇った。二人とも地面に倒れる。


「大丈夫ですか?ホーリーさん!」

「……」

「ホーリーさん?」

「今の攻撃でしたら防御魔法で防げました。無用な行動でしたね」

「すみません。思わず……あの、本当に大丈夫ですか?」

「……何がですか?」

「いえ、顔が真っ赤ですので」

「……別にユウト様優しい。とか、ユウト様最高です。とか、どうせ押し倒すのでしたらベッドに押し倒して欲しいですとか、そんな事思っていません。ええ思っていません」

「は、はぁ……」

「そろそろ、退いて頂いてもよろしいですか?」

「あっ、すみません!」

 安藤は慌ててホーリーの上から退いた。

 耳まで真っ赤にしながらホーリーは立ち上がる。

「グルルルルアアアアア!」

 ブルー・ドラゴンは怒り心頭の様子だ。

 まるで「イチャイチャすんな、てめぇら!」とでも言っているようだった。


「さて、ユウト様。その剣であのブルー・ドラゴンを倒してください」


「そんな、無茶で……」

「大丈夫です。ユウト様なら出来ます」

「グゴオオオオ!」

 ブルー・ドラゴンは口を大きく開け、また酸を吐いた。

「う、うわあああ!」

 安藤は持っていた剣を破れかぶれに振り回す。 


 すると剣から凄まじい斬撃が飛んだ。


 斬撃はブルー・ドラゴンが吐いた酸を消し飛ばし、そのままブルー・ドラゴンを真っ二つにした。

「グル?」

 ブルー・ドラゴンは何が起きたのか分からない。といった表情で倒れる。

 安藤は何度も真っ二つになったブルー・ドラゴンと自分の持っている剣を見た。

「お、俺……」

「見事な斬撃でしたね。別に見惚れてはいませんけど。ええ、見惚れてなどいません」

 言葉とは逆に、ホーリーはパチパチと拍手をくれた。


「今夜はご馳走ですね」

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