嫉妬でいちゃもん付けられたけど、あっさり返り討ち
「ふざけるな！俺達は認めねえぞ！」
剣を抜けなかったガタイのいい男たちが何人も安藤に詰め寄った。
「こんな奴が『クルドの剣』を抜けるはずがねえ！インチキに決まっている！」
「そうだ。そうだ！」
騒ぐ男達を見て、ホーリーはクスリと笑う。
「なら、試してみてはいかがですか？」
「何！？」
「この方が偽物の英雄と思われるのなら、力ずくで剣を奪ってはいかがでしょう？」
「ちょっ、ホーリーさん！」
「面白れぇ！おい、お前ら！やっちまえ！」
「へい！」
荒くれ者たちが一斉に安藤に襲い掛かる。
「うわああ！」
「軟弱野郎が！くらえ！」
荒くれ者の一人が安藤の顔に拳を叩きこむ。
「あれ？痛くない」
「痛えええええ！」
安藤は何事もなかったかのように平然としている。
逆に安藤を殴った荒くれ者の手は真っ赤に腫れていた。
「この野郎……いてえええ！」
「くそが！くらえ……ぎゃああああ！」
荒くれ者達は次々と安藤を殴ったり蹴ったりするが、安藤はちっともダメージを受けない。
反対に荒くれ者達は次々に自滅していく。
「最後は貴方だけですが、いかがなさいますか？」
ホーリーが荒くれ者達のボスを見る。
「くそがああああ！」
荒くれ者達のボスが安藤に殴り掛かろうとする。
「ユウト様。彼を軽く押してください」
「えっ？」
「いいですから」
「は、はい」
ホーリーに言われた通り、安藤は荒くれ者達のボスを軽く押した。
「があああああああ！」
安藤に押された荒くれ者達のボスは十メートル以上吹き飛び、壁に激突した。
荒くれ者達のボスはそのまま気絶する。
ここぞとばかりにホーリーは皆に告げた。
「これで分かりましたか？この方が英雄に相応しいと言う事が！それでも疑う者は彼のステータスを見てごらんなさい」
ホーリーがそう言うと、周囲に居た人間の何人かが「ステータス・オープン！」と叫んだ。
「こ、これは……！」
安藤のステータスを見た者達が息を呑む。
「攻撃力∞：防御力∞：剣力∞：技能∞：修練力∞……その他全て∞だと！」
「なっ、なんだってえええええ？」
「ステータスが、オール無限！？」
「あ、あり得ない！」
人々は目を大きくして驚く。
そんな人々に、ホーリーは言った。
「彼こそは『最強剣士』アンドウ・ユウト様。皆さん。彼に跪くのです」
「「「「「」ははっ――」」」」
安藤を馬鹿にした者達や安藤に殴り掛かった者達全員が安藤に跪いた。
「…………ええっ？」
その光景を安藤は唯、呆然と見ていた。
