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俺たちは異能力バトルがやりたかった  作者: 読書丸
特に何も無い
3/14

うんこ製造機

 クソみたいに役に立たない『人間』を作るのは実に簡単なもので、要するにどんな『人間』であったとしても、その性格であったり価値観であったりを馬鹿みたいにおかしくすることで、完璧と思える人間もクソ以下に堕ちる。


 私自身もそうであり、私の異能がそうであるように、私の価値なんてしれたものだし、私の付加価値も使えぬものだった。

 たとえ頭のスペックがどれだけ高くとも、人間性という不確かで、わけのわからない基準に轢殺される。

 そしてこの世界に異能なんてものがあろうとも、私の生活はちっとも変わらなかったし、私の世界はちっとも変わらなかった。

 異能があろうがなかろうが、私をいじめていたクソ共は卒業まで私をいじめ続けたし、いい友人が出来るわけでも、いい会社に就職できたわけでもなかった。


『うんこ製造機』


 私の異能

 私だけの異能

 異能を作る、最高の汎用性を持つ異能

 作る異能に制限はあれど、際限はない


 けれど、名前を見てもらえれば分かるように、私はこの異能を好いてはいないし、使えるなんて欠片も思ってない。


 私の作る異能は、必ず対価やデメリットが必要になる。

 この対価と、異能の大きさはある程度比例しており、対価やが大きければ大きいほど強力な異能を生み出せ、逆に対価が小さければ小さいだけの能力しか生み出せない。

 対価は最低値が決められており、どれだけ異能をクソ以下にしようが、対価はコレ以上下がらないというラインが存在する。コレは金額にすると10円であり、異能に直せば『自分から30cm離れた鉛筆を触らずに拾う』程度である。

 対価とは『自分自身』か『自分個人が完全に保有しているもの』に限られる。つまり、例えば私がアパートの一室を借りていた場合、その部屋は私のモノという扱いにはなるだろうが、借りているという立場上その所有権に他人が介在してくるため『自分個人が完全に保有している』という扱いにはならず、対価として成立しない。同様に、私がもしアパートそのものを持っていたとしても、そのアパートの一室を誰か他人に貸していた場合も他人が介在しているという扱いになるため、対価として成立しない。

 なを、他人の了承さえあれば、すなわち、『コレは私個人のものでは良いか』というように問い、肯定されたならば、事実上がどうであれ対価とすることができる。

 この異能と対価はそれぞれ私が任意で設定でき、見合っていないと判断された場合、異能は発現しない。


 ココまでまだいい。

 正直言ってて読み飛ばしたいレベルで面倒くさい異能ではあるのだが、ココまでならまだ使い道があるように思える。

 問題は作る異能とその対価の比率だ。

 比例は比例でも正比例じゃない。


 n=異能の大きさ n≧1とした場合

 対価=4のn乗


 なにが比例だ、比例の意味を100万回検索しろ私。

 文系にもわかりやすくすると、核分裂より凄い勢いで対価が増えていく…うん、わかりにくい。

 要するに作る異能の対価が馬鹿みたいに大きくなる。


 だからこそのうんこ製造機

 クソしか作れない異能

 私という人間と同じ


 いや、もしかしたら

 もしかしたらかもしれないけれど

 この異能を持つ私自身が、この異能にとっての最大の制限であり対価であるかもしれないと









『結婚相手になってくれるかもしれない男性(細かい指定なし)と出会える確率を上げる』という異能に対し、私の持つ全財産と私自身の運命を含めた私思いつく全てを対価に捧げても見合っていないと受理されなかった私は、そう考えた。

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