そらなきくんの憂鬱
そらなきくんはいつも一人。
この世に存在し始めた時から一人。
ですがそんなそらなきくんでも一人は寂しく
そらなきくんは妖怪たちに声をかけることにしました。
「譁・ュ怜喧縺代→縺ッ縲…」
しかし妖怪たちは逃げだしてしまいました。
なんでだろう。
そらなきくんは考えます。
そうか。声のかけ方が良くなかったのかな。
少し暗かったかもしれない。
明日もう一度
今度は元気に声をかけてみよう。
次の日になり、またそらなきくんは妖怪たちに声をかけます。
「譁・ュ怜喧縺代→縺ッ縲!!」
しかしまたしても妖怪たちは逃げだしてしましました。
なんでだろう。
そらなきくんは再び考えます。
そうか。話の内容がよくなかったのかな。
元気にすることも大事だけど挨拶はもっと丁寧にしたほうがいいのかもしれない。
明日もう一度
今度は元気に丁寧に声をかけてみよう。
次の日になり、またそらなきくんは妖怪たちに声をかけます。
「譁・ュ励′陦ィ遉コ縺輔l縺ェ縺・樟雎。縺ョ縺薙→縺ァ!!」
しかしまたまた妖怪たちは逃げだしてしまいました。
そんなことを続けていたある日、そらなきくんのもとにニンゲンがやってきました。
ニンゲンは妖怪たちがする自慢話の中に出てくるので聞いたことがありました。
自慢話に入ろうとすると逃げられてしまうのですが。
するとニンゲンはそらなきくんをどこかへ導きました。
どこか楽しいところへつれていってくれるのかな。
いいところだといいな。
しかし、そらなきくんが導かれた先にあったのは闇でした。
そのニンゲンは特別な力でそらなきくんを常闇にしまい込んだのです。
「これでようやく収まるな。」
「ああ…。こう毎晩毎晩あんな数の妖怪たちに騒がれてはたまらん。」
「しかし奴のせいでこうも妖怪たちが騒ぎ出すとは…。」
「奴が取り返しのつかないものになる前に何とかなったようだな…。」
闇の中で何年も何年もひたすら身の内に闇を抱え込み
吐き出すすべも知らず
丸まりこんだそらなきくん。
どうしてなんだろうか。
なぜ奴らはこんな意地悪をするのか。
仲良くなりたいだけなのに。
なんで?
なんで?
なんで?
なんで?
なんで?
nあんっで?
いやだ。
いやだ。
暗いよ。
怖いよ。
暗いよ。
いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。いやだ。助けて。たすけて。タスケテ。タスケテ…。
闇なのかそらなきくんなのか区別がつかなくなったある日
大きな太陽が空に昇り天を照らしました。
「助けに来た」
しかし、そらなきくんはあまりの眩しさに太陽が出た隙間から
常闇の世界から逃げ出すことにしました。
その日空は泣き、晴天は亡き、黒く染まり、
妖怪は逃げだし、妖怪の行く先で人間は怯え、人間はそらなきくんに
常闇からあぶれ、妖怪を従える妖怪の王を意味する
常闇ノ皇
という名を名付け、常闇ノ皇が闊歩する夜を
九十九の妖怪と常闇ノ皇の百鬼が夜を行く
百鬼夜行
と名付けました。
そらなきくんは天を照らす眩しい太陽から逃げ続け
太陽はそらなきくんをいつか救うために追い続け
太陽とそらなきくんは決して仲良くなることはありませんでしたとさ。