異様
「警部、これは一体どういう事でしょう。」
新人の刑事はベテランの警部に聞いた。
「私もこの仕事は長いが、全くもって不可解だ。」
その事件現場は異様だった。弾痕のある数十名の遺体。その遺体にはそれぞれ拳銃が握られていた。
遡る事、数時間前…。
標的に銃口を向けた殺し屋Aが言った。
「おとなしく拳銃を捨てて、手を上げろ。」
「くそ、ここまでか…。」
標的となった男は、諦めて拳銃を捨てようとした、その時、
「おーっと、そこまでだ。おとなしく拳銃を捨てて、手を上げろ。」
いつの間にか現れた殺し屋Bが殺し屋Aに銃口を向け立っていた。
「くそ、ここまでか…。」
殺し屋Aは諦めて拳銃を捨てようとした、その時、
「おーっと、そこまでだ。おとなしく拳銃を捨てて、手を上げろ。」
いつの間にか現れた殺し屋Cが殺し屋Bに銃口を向け立っていた。
「くそ、ここまでか…。」
殺し屋Bは諦めて拳銃を捨てようとした、その時、
「おーっと、そこまでだ。おとなしく拳銃を捨てて、手を上げろ。」
いつの間にか現れた殺し屋Dが殺し屋Cに…。
殺し屋Z、すなわち殺し屋Aに標的にされていた男が提案した。
「皆さん、せーので一斉に引き金を引くというのはどうでしょう?」
「お、それは名案だ。」
殺し屋Hが言う。
「うん、意義なし。」
と殺し屋Pや他の殺し屋達もその提案に賛成した。
「じゃあいきますよ、せーの…」