表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼の番人  作者: 山羊山
1/1

3本足のカラス

奏が八雲の店をでると、辺りはすっかり暗くなっていた。スマホを見ると19時を回っていた。店に着いたのは17時くらいだったけど…。

(そんなに長居をしたかな?)

気にはなったが、何せ寒い。あまり深く考える余力はなく、奏は肩をすくめ帰ろうとした。

「うわぁ!」

足元に何かがいるのに気がついた。

カラスだ。まさに闇夜のカラスで気がつかなかった。

「ビックリした…」

驚く奏とは反対に、カラスは微動だにしない。

(街中のカラスは人慣れしてるんだな)

「寒いんだからさ、カラスも早く家に帰りなよ」

奏はカラスに手を振ると足早にバス停へと向かった。

(さっきのカラス…足が3本あった?)

まさかね。


奏が八雲の店の前であったカラスは、じーっと奏の後ろ姿を見ていたが見えなくなると、店の扉をくちばしでコツコツつついた。

しばらくすると八雲が扉を開けて顔を出した。

カラスは180cmある八雲を見上げると

「フンッ」

と言うと、ピョンピョンと店の中に入ってきた。

店内は本棚が邪魔で飛べたもんじゃない。

「あれが佐倉の番人か。まだ若いが使えるのか」

しゃべった。カラスがしゃべった。

八雲はヒョイとカラスを抱き上げると、カウンター奥に入っていった。店内側からだと本棚に隠れているがカウンターの奥は6畳ほどの広さがあった。

灯油ストーブが焚かれ、傍には古いロッキングチェアが置かれている。

八雲は3本足のカラスをチェアに乗せた。

「奏の番人の免状を届けてくれるかい」

先ほど奏が血判を押した紙をたたみ、さらに和紙で包むと表に墨で何やら書いた。

それを「はい」とカラスに差し出す。

3本足のカラスはヒョイと足を1本持ち上げそれを掴んだ。

「八雲、茶と菓子くらいだしてもてなせ。ワタシは鬼界から来たばかりだぞ。労え」

くちばしを世話しなく動かし捲し立てる3本足のカラスの言葉を「はいはい」と聞き流しながら持ち上げる。

「おい、八雲。せめて…」

店のドアを開け、3本足のカラスを空へと放る。

「こらー!八雲ーー!」

カラスは羽をバタつかせながら夜空へと消えていった。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ