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~空中移動で死にかけた~
女神キャリスレイアに空へ飛ばされてから何十秒か経った。
「あばばばっばば」
俺は風になっていた。
女神に記憶を消されたことで怒り心頭になっていた俺の頭は、感じたことのない速さによる恐怖で一気に冷め切ってしまっていた。
他の面々も俺と同じく恐怖で暴れたりする奴もいれば、気絶しているのか微動だにしていない。
そんなこんなで気づけば、飛ばされた先に海とは違う景色が見え始めた。あれが女神の言っていた大陸。大陸が見えたことで少し冷静になったのか、考えたくないことを考えてしまっていた。
どうやって着地するんだ?
その考えに思い立った瞬間、今までとは比較にならない恐怖が身を包んだ。そんなことを考えているうちにどんどん地面との距離が近づいていく。
「やばいって、マジで死ぬって!!―――――!?」
俺たちは砂浜に激突した。勢いが強すぎるあまり、砂埃は十数メートルまで噴き上げていた。
この後助けてもらった天使たちが言うには、全員上半身が砂浜に突き刺さっており気絶していたが死んではいなかったらしい。死んでるのに死ぬもくそもないのだが。