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幸福な結婚とは? 7 ジェニファー=エフォート

前回よりだいぶ時間が空いてしまいすみませんっ!

1日2日程度で更新したいと思っています。

魔法管理省のイベント

『デルヴォー帝国大魔法祭』の日がやって来た。


今回は、国内の政治的な意味合いのある

ー前回大火事と前皇帝の企みの暴露によって

尻すぼみ的に終わった建国祭や、その後の

簡素な現皇帝ルートヴィッヒ1世の復権の式典とは

また違う趣きがあった。


魔法というものの研究や技術の革新・開発、

新しい魔法分野の紹介など

魔法に特化しているイベントのため、

他国より魔法・魔道に精通している

スペシャリストも参加する。


他国との競争や共同計画のある政治的にも

重要な催しもののひとつである。


わたしはデルヴォー広場でかわいらしい

街の子供らによるダンスが見たいからと、

公爵家の馬車を降りた。


一緒に乗っていたアベルは

「後で落ち着いたら城の魔法省の本部へおいで」

と、わたしに声をかけてくれた。


今回、デルヴォーからは建国祭で使用した

『マイク・スピーカー』を

更に性能をアップさせたものを研究会場で

披露するのだという。


テレビの中継のような画像が付けられるといいね、

と話すと、それも早速魔法省で研究していく計画ができたという。


「いや、ジェニーはアイデアの宝庫だね」と

ありがたい事にレイモンド閣下などが言って

くれるが、これもジギタリスと同じで

前世での情報を話しているだけに過ぎないので

細かい研究や技術などは

魔法省の技術部に丸投げである。



広場は大変な賑わいだった。


建国祭と違い魔法を使ったちいさな手品のような

イベントがそこかしこで行われている。


わたしは誘われるように屋台が立ち並ぶ大通りを

歩いていった。


全体的にポップな感じのかわいらしい装飾の

お店も目立つ。

時折小さなイベントによる花や紙ふぶきや

キャンディーまでも頭上から降ってきて

びっくりする。


「あ、いけない」

わたしはマントのフードを被った。


先日の建国祭で

サヴォー教団のほとんどの教団員(サヴィニアン)

死亡したり捕まったりしているが、どこに残党がいるか分からないので、

マントのフードは被っておいて、とアベルにも注意されていたのだ。


現在も引き続き教団関係者の調査しているのだそう。


詳細についてはアベルも口を噤んではいるが。


「あっ…と」ー落ちてきたキャンディーが頭上にあたり手で拾い損ねて、地面に落ちる。


さっきからいくつも落ちてくる花とキャンディーを

キャッチし続けているのだ。


キャンディーのレモンのような味がわたし

好みだった。


拾おうと屈んだ時後ろから、ふわっと嗅いだことのある香りがした。


思わず顔を上げると、

大通りから裏路地に抜けて歩くーフード

を深く被ったマント姿の人物が歩いていく後ろ姿を

確認した。


(あれはー…)

あのスパイシーな香りは…。


フードの人物は大股でどんどん路地の奥へと歩いていくようだった。


わたしはそっと付いていく事に決めた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(ー気をつけないと、迷いそう…)


フードの人物に付いて裏路地に入ったはいいが、

帰り道が分からなくなりそうだー。


(仕方ないなー…)

わたしはさっきの花とキャンディーを、

かの有名な童話のように曲がる角に落としながら、付いていく。


これなら時間がかかっても帰れるだろう。


残りのキャンディーも少なくなってきたところで

またフードの人物が角を曲がった。


わたしもキャンディーを隅に落として付いていこうと曲がり角を曲がった時、ドスンと壁に当たった。


「…ッたあー…」


思い切りぶつかったので鼻が痛かったが、

目の前の壁からあの香りがしてーー。


顔を上げるとーラウラ=ベルハイムが立っていた。

彼女(彼)はわたしを壁に追い詰めると、


「鼠じゃなくて子豚かー」

ラウラ=ベルハイムはわたしを見下ろして、

なんの感情も読み取れない表情で言った。


(失礼ね!まだそこまでじゃないわ)


氷点下レベルの凍りつきそうな声音でラウラは

わたしを見ている。

「ーお前は何者だ?なぜわたしを付けている?」


目線が先日より近いー。

(ああそうか…)


この間は彼女(?)はピンヒールを履いていた。

身長は女性にしては大きく男性だと少し低いくらいか。


170センチ位だろう。

(ー前世のわたしと同じくらいかも)


髪の毛はダークブロンドだが、首元の長さで先日

あった時のような長さはない。


でも、瞳の色と形の良い唇、高い鼻梁は

温室であったラウラとまったく同じだ。


いや、よく顔をみると

(…あれ?泣き黒子がない)

(…ラウラじゃないの?)


ーこいつは男なの?結局女なの?


結局一番分かりやすい方法を選ぶことにした。


ラウラ(もどき)が更に壁にわたしを追い詰める為に身体を寄せてきた瞬間にー。


彼女(彼)の股間を片手で、がばっと掴んでみたのだ。


ーそして、しっかりとした存在を認めたのだった。


「…どういうつもりだ、子豚め。お前は痴女か?」


彼は股間を掴んだわたしの手首をぎりぎりと

締め付けた。

よんでいただきありがとうございます。

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よろしくお願いします。m(__)m

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