表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/13

たぶんカフェオレを選んでいるあいつと、自称良妻賢母

 夏休みに鳩か雀を食す化石野郎は、どでかい楽器の奏者となり、戸籍がうんぬんで改名したことを自虐的にはしゃいでいた奴は、進学する子らのサポート役となり、裏番長だとほざいていたどっちつかずな野郎は、山菜みたいな奴の家に入って結婚し、派手系グループに属していて髪の色を抜いたその日に生活指導に呼び出しくらっていた奴は、婚姻後すぐに親になったという。そんなあいつらとつるんでいた俺は、今じゃ高等遊民だ。嗤え。


 そういえばさ、結婚生活幸せです → 離婚しました嫌いではないけど幸せになりたかったからでも誰かの参考になればいいなとおもい前の生活を綴りました →現在お付き合いしている人と幸せになりました →もっと愛されたいのできれいになろうと頑張ります! の毎日充実しているお方は、どこへ消えていったのやら。なぜ立ち去ってしまったのやら。なかなか面白い読み物だったのに。たぶん、執筆する必要が無くなったくらいにリアル世界で満たされたのかもしれないね。そういうことにしておこう、俺も長い夢を見たものだと思えば。


 昼休みに、9割がた自販機で飲み物買う子がいるんだけど、あれ、ボタンの位置からしてカフェオレか炎のマークのコーヒーだよね。俺、あの子が好きなんだけど。コーヒーだからCさん(仮名)にしておく。Cさんの後姿をね、上から下までじっくり観察するんだ。おお、いい背骨してんじゃないか。俺はCさんのこと知っているんだけど、あちらは知らないというか、知らないふりをしているというか、目を合わせてくれない。コレ、嫌われているんかね。気持ち悪いよなあ……自分の行動をなめまわすように見ている奴がいるなんて……しかも、生物学上同じ性別だもんなー。当時はね、嫌がられていたんですよ、今は受け入れてくれる人が増えたけど、好きになる人は、必ず異性じゃないといけないのか? 神様がいるんなら、教えてくれよ。目を合わせてくれない、無視されるってのは、俺があの子にひどい仕打ちをしたからだろうか。田舎者だと馬鹿にしていたから? おめえ、いつも同じ服着てるよな勝負服のつもりか?

 無い・無い・無いのステータスド底辺、しかもド変態とか面と向かって言ったからいけないんか? 反動形成、やりすぎた? もう俺、Cさんを好きになる資格、無いかな。


 自分で自分のことを「良きmother」だと思っている奴が、俺の会社にいる。俺、あいつにグループ課題でいじめられた。自己紹介、全然聞く耳持たなかった。俺が1週間かけて無い頭フル回転させて考えたアイデアを鼻で笑って、欠点だけ挙げて没にした(普通、大人の対応なら100パー無理な案でもひとつはほめんだろ)。俺がブランド品で推したい野菜の画像調べませんかと言えば「え、×××なんかどれもおなじでしょ」と一蹴。ふざけんなBBA。

 あいつな、課題発表の後、2人目作ったんだぜ。俺、あいつと階段で会った時、突き飛ばしてやろうかとか、公共の事故を装って一大事にしてやろうかとか変に知恵がわいてきたけど、やめた。結局、やろうとしてること、あいつのやり口と変わんないよなって思って。あいつ、俺のこと「同性が好きな脳内オフィスラブ野郎」って言いふらしているんだ。俺を会社に来られなくする魂胆かよ。

 俺にはパートナーがいないし、子どもすらいない。だから、世間の母親にぶーぶーいえる筋合い無いかもしれんが、あんたらのごく一部が、いじめを助長しているんじゃないのかって。親のあんたがいじめをしているので、子に「ほら私もしているんだから、あなたもいじめをしてもかまわないのよ」と教えて、それがその子の子にも伝わっていってさ。どおりでいじめが消えないわけだ。親が「やってもいいこと」として堂々といじめをしているんだからさ。ストレスたまって俺に当たるのかね。俺、思ったことはっきり言うから、あいつに昔なにかズバッと切ったのかもしれんが。何が悪かったのか教えてくれたっていいじゃんか。反省するから。

 お助け社員のばーちゃんにあいつの実情を聞いた。ダンナがそいつが正社員になったのをいいことにヒモになったらしい。そんで全部やることがあいつに回ってきていてイラついているのだと。母親って、子どもの面倒だけでもしんどいのに、家事も金稼ぎもやらなきゃいけないのか。なるほど、あいつもつらい思いしてたんだな。でも、それを理由にして若手の精神を追い詰めることは、許されてはないからな。無事に生まれた2人目も、きっとmotherに影響されていつか同僚をけちょんけちょんにのして快楽を得るような大人に製造されるのかもしれないけど、どうかお幸せに。そして家族ぐるみで俺に干渉するなよ、あんとき、チャンスだったのかな。軍手はめてたからぽん、と押したら、バランス崩してお流れになったのかも…………やめよ、しょうもない。思い出せ、やんちゃやってた時、マブダチが産休前の担任にぶつかっちって、車いすで緊急で運ばれてその後、別の先生にチェンジして、消息不明になったことあったろ。柏の葉が、むかつくほど鮮やかだった日だ。元の担任と、おなかにいた子は、無事だったのか? もし、俺にも親になる機会があって、パートナーがそんな事故に遭ったら、俺、どうなるんだ? いけね、考えごとでいっぱいになるとか、らしくないな。やめとこ。


 てなわけで、今日も遊びほうけてます。家族のいないちっぽけな宅を防衛してます。久々にマッチングアプリでも開きますか。足洗いましたので、デートしてください。でも、本当は、女の子じゃない子と、公園でフリスビーしたり、ケーキバイキング行ったりしたい。もう暴言吐かないから。神様、俺に出会いをください。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ