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カタチなきセカイへ  作者: ツカサマコト
後章
34/36

ラストワード


 カレの視界は真っ暗闇で何も見えなく意識もはっきりしない中で、

 カレの手には温もりを感じていた。


 それに気付いたカレが下を向くと……

 そこにはさっきまで目の前にいたはずのカノジョを抱きかかえていた。


 抱きかかえているカノジョの意識は、はっきりしない感じ……


 カレがまさかと思い顔をあげるとそこには家が燃えている……


 そうカレが理解した瞬間にカレの中に何かが戻っていくような感覚が押し寄せた。



 家が目の前で燃えていて、カノジョの意識がない……

 とても異常事態なのに……カレはすごく冷静な気持ちであたりを見わたす……


 カレは前にも見たことがあるような光景という意識がどこかであるからか少し冷静でいられた。


 でも、その光景があまりにも現実のように感じる。

 周りの音、熱、匂い、そして視界に喉の渇いた感覚すらも……


 そうカレが認識すると冷静さも消えていきカノジョをどうにかしないと、

 カレはそう思い周りに助けを求めようと声を出そうとするが、声がなぜか出せない……。


 声が出せないカレは、抱えているカノジョを自力で運ぼうと体を動かそうとするが、

 金縛りにでもあったように体も動かせない……。


 カレが頭の中で、何かをしないと色々なことを考えるけどカレの体は何もできない。

 カレの冷静さもどんどんなくなっていく、それと同時に既視感も消えていた。


 カレの体は動かず、ただ、カノジョの温もりと鼓動だけを感じていたが、

 カノジョの鼓動が弱々しくなっているのを感じ始める……

 

 焦るカレは何もできない絶望に悲しさだけがこみあげてくる。

 そしてカレが絶望に包まれる中、カレの瞳から涙が溢れる。



 その時……



 カレの涙をぬぐい取るように温かいものを瞳の下に感じて、

 カレが抱きかかえているカノジョを見ると意識が朦朧としているカノジョが、

 カレの涙をぬぐっていた。


 カレがカノジョを見るとカノジョがカレに抱きしめられながら、

 カノジョは笑顔で振り絞るようにカレに言う……。




 「お か え り …… ……」


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