クズ殺し3周年記念 IF 共闘 リライト9
短め(1651字)。
最後だし良いよね。
戦闘開始から暫し。
NWCは兵器の組み立てを開始した。
まず最初に行うは、地面の補正である。
平面な板に無数の脚が生えた物体を用意する。この各脚の高さを調整することで、板の角度を水平面とびったし合わせることが出来る。
ゼルドが足を一本破壊する頃には調整が終わり、次に行うのが、本体の組み立てである。
鏡面張りされた本体片側を、慎重に設置し、内部にいっちゃん重要な熱源を設置する。
外部へ制御装置のコードを延ばし、熱源を囲うように鏡面張りの本体のもう片側を確と合わせ、固定する。
内側に熱源の入った、一部の欠けた鏡面張りの円形の物体。
この欠けた部分にレンズを嵌め、その距離を微調整していく。
ナナシが銀鏡の盾を創る頃には事が済み、確認作業に入った。
が、魔王によって倒された"怪物"、その落下の衝撃によって全てがぐちゃぐちゃになった。
幸い、重要部分は無事で済んだものの、再度水平出しから作業再開である。
途中で戻って作業を出来る設計なのが幸いしたが、そもそも作業工程が多い。多すぎる。
再度のピント調整を行うと、発射準備は整った。
にのまえが通信機で全員に連絡を送る。
-NWCより兵器での攻撃を開始する。
-総員安全のため退避せよ。
……この兵器に関してあれだけ長ったらしい説明をしたが、根幹の概要を伝えていなかった。
この兵器は、核崩壊によって生ずる膨大な放射線を内部で反射し、レンズに依って束ねて指向性を持たせる。
平たく言えば、核兵器を使ったビーム砲である。
ピンポイントに、指向性を持たせて遠距離に。
圧倒的威力、圧倒的熱量、その照準の先を目前で倒れ伏す怪物へと向ける。
トドメを刺すのは当然、主人公の仕事である。
にのまえが静かに手を挙げる。
発射スイッチに手が触れる。
雷管が発火し、起爆剤が爆轟を起こす。
その爆発の圧力に依って、本命の核燃料が圧縮され、核崩壊を引き起こす。
発せられる膨大な放射線。
彼らは内部で反射し、反射し、やがて唯一そこだけに許された出口……即ち砲門へと集っていく。
バラバラな方向へ向かう光線はレンズに依ってただ一方向へと正され。
シュゥゥゥウウウウウという音。
膨大な熱量を前に、周辺の空気が徐々に歪んでいく。
目には目を。
歯には歯を。
ビームにはビームをッ!!
開放された砲門から、一斉に核子が溢れ出る。
本来可視光から外れ、目に見えることの無いはずの光線が、その軌道が、膨大な熱量に依ってプラズマ化された空気に依ってはっきりと可視化されていた。
一直線に伸びる光線は、じゅわぁ、という音を立てながら怪物の胴体を、そのど真ん中に、どう見たって修復不可能な大きさの穴をぶち抜いていた。
ビルが一棟建てられそうな巨大な穴は、NWCの最新兵器の威力と、彼らの勝利を雄弁していた。
暫く、一分ほどの間、勝利を称えるようにパチパチと言う音と共に空気が爆ぜていた。
戦闘終了の四文字が、皆の頭の中に浮かんでいた。
そしてそれ以上に。
誰も口に出すことは無いけれど。
「最初にこれ撃ってりゃ速攻で終わってたんじゃ」
という考えが浮かんでいた。
この戦闘によって、
ゼルド、国軍は防御面、
魔王は大型の敵への攻撃の際の味方の保護、
NWCはこの新兵器の即時展開性というそれぞれの課題を見出し、以降へ鍛錬・改良を続けることとなる。
そんな、若干の課題がありつつも、皆押し黙って今の静けさを噛み締めていた。
やがて暫くすると、お互いに激励し合って、再び元の日常へと戻っていった。
ゼルドは極めて小さな声で、ナナシへと礼を言い、ナナシはそれを目を見開いて聞くと、笑っていいよ、と言った。
それから国軍の者へも礼を言い、それを見て更に驚愕するナナシであった。
国軍騎士隊は防御面をどう上げるか、仲間内で話し合い、仲間内で解決が難しいと判断すると、W.I.N.グループと通信を始めた。
魔王は「ごめんねー」等とNWCに言い、NWCは「まぁいいよー」と返した。
にのまえは兵器開発を行った"彼"と話し込み、"浪漫"を"現実"へ落とし込もうと画策しつつ今度こそふかふかの長椅子で惰眠を貪った。
此処までお読みいただきありがとうございました。
またそのうち更新するので暫くお待ち下さい。




