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スキル:クズ殺しで無双出来るってどういうことですか?  作者: にのまえはじめ
三周年記念
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クズ殺し3周年記念 IF 共闘 リライト8

NWCの開発した最新兵器。


それについて語る前に、まず"彼"について語ろう。


世の中、阿呆にはありふれているもので、阿呆に困ることはそうそうに無い。

まぁ別の意味で阿呆に困ることはあるかもだが。

かくいう作者も分類上間違いなくそれに入るだろうことは疑う余地の無い事実である。


一方で、"天才"だとか"頭の良い"人間は稀だ。

元来珍しいのは当然として、

"住む世界が違う"、なんて表現がある様に、

入学試験入社試験、高校以降はそもそも知り合うこと自体稀である。


然し、事が厄介なのは両者を掛け合わせた様な人間が居ることだ。

頭の良い阿呆。実際存在する。

誰、と言われると困るのだが、きっとN君の名前を出したとて読者諸兄姉には伝わるまい。


NWCの中にもそういった人物は居る。

変態的な発想力と、それを現実に呼び出す表現力。

"魔力と火薬の混成(ハイブリッド)"という空前の大発明を犯し、NWCの武装、運営、その他深く根ざす最大の貢献者。

NWCの研究部長と作戦部第二副長を兼任し、

ぶっちゃけ、ただ武器を与えただけのにのまえよか余っ程首領(ボス)首領(ボス)した人材である。

そんな人材が何故NWCに留まっているのかと言えば、この世界で自由に研究なんてできるのが此処くらいであるからである。


……武装の大半は何で出来ているか。


鉄である。


鉄というのは大変な苦労を経て作られる。

読者諸兄姉は、小説媒体に於いてきっと"犯罪奴隷"が鉱山労働送りになる表現を見たことがあるのでは無いだろうか。


鉱山というのは非常に危険な場所である。

崩落、酸素不足、粉塵、爆発事故、エトセトラ。

鉱山は常に肉体労働者を必要としている。


はっきり言おう。

過去、鉱山に於いて、労働者は"使い捨て"である。


燃料資源を燃やして電気に変えるように。

人間という資源を燃やして鉄を得ている。

さて、鉄が鉱山で取れる、というのはご想像の通りであるが。

じゃあインゴットで出て来るかと言ったらそんな訳が無い。

鉄鉱石を精錬する必要がある。

マイクラの様に、かまどに石炭と鉄鉱石を入れれば良かったらどんなに楽だろうか。

仮令一千度の炎で合っても鉄を溶かすことは出来ない。

故に必要となる、高温炉。

……鋳造であれば。

鍛造であればもう少し楽だ。

炉にぶち込んで熱した鉄を、ハンマーで叩いて、叩いて、叩きのめして不純物を追い出していく。

結局は炉にぶち込んで熱するわけだが。

この時、普通の火では温度が足りない。

そこで温度を上げるために用いられるのが、足やら手やら、あるいは水車やらで風を吹き込む"ふいご"である。

足や手であれば労働力が必要になるし、水車であれば川近くの土地が施設の大きさに見合った分だけ必要になる。

ふいごがあれば火が付くか。否。

燃焼の三要素というものがある。

熱、酸素、そして可燃物。

鉄はそうそう燃えないのだから、燃えやすい燃やすための物質。

即ち"燃料"が必要になる。

燃料、この時代であれば主に石炭。

石炭はどこで取れるか。

先程の文で、謎に♡に囲まれた部分があったと思う。是非読み返していただきたい。


鉄のインゴットに莫大な手間がかかっているのはおわかり頂けたかと思う。

そんな文字通りの血の塊を、にのまえはキログラムオーダーでぽんと出す。

この世界で有り得ないような純度のインゴットを、ぽんと。


ハーバー・ボッシュ法も無い異世界で、火薬はどれだけコストがかかるか。

鉛はどれだけコストがかかるか。

ぽんと。呆れるほどにあっさりと。

湯水の様に。湯水にすら苦労する世界で、これらを何一つ厭わず。


故に彼は。

NWCの異常兵器の数々。

たった一人で、その八割を開発した彼は。

神憑り的な辣腕を、その技術力を、NWCにて振るっている。


そんな彼の夢想が、時に暴走することがある。

それは多くの場合、にのまえという未だ中二病の真っ只中に居る人間と強く共鳴を起こし、NWCという巨大組織を最大限に巻き込んで、この世に形を得る。


理不尽に強力で、理不尽に使いづらい。

浪漫とか言う巫山戯た物を中心に回る超兵器。


例えば都府県を一つ更地に出来る爆弾のような。

例えば変形合体起動ロボ(ジャルクラム)のような。

例えば衛星圏から落下(フィスト)する直径(・オブ)100mの白金の拳(・ゴッズ)のような。

例えばハンドガンでS(スナイパー)R(ライフル)に限りなく近い命中精度を叩き出す弾丸(VT - ST狙撃弾)のような。


そして例えば、全長200mの怪物を一発でぶち抜ける兵器のような。


過去、大型の火薬砲というのは腐る程開発されて来た。

然し乍ら、その大半は洋上での使用を想定されている。


何故か。

砲というものには反動が有るからである。

地上では、大型の砲の反動で自立することが難しくなってしまう。そこで、列車砲というアイデアが生み出された。

その名の通り、地面に線路を引き、砲を乗せた列車を走らせる、というものだ。有名なもので言えば、ドイツのグスタフ/ドーラであろう。


或いは、逆向きにガスを打ち出して反動を軽減する無反動砲も有る。

これはどちらかと言えば、歩兵が重火器を撃てるようにすべく使われることが多い。


何故反動があるかと問われれば、中学で習った作用反作用を持ち出して語るしかあるまい。

何故作用反作用なんてものがあるのか、と問われれば最早「神がそう望まれたから」としか言えないが。


砲というものが弾丸を射出する以上、これは結局反作用を免れること能わず。

なれば、そもそも弾丸なんぞ打ち出さなければ良いのでは?


そんなイカれた発想。


然して案外に、これは有用なものである。


話逸れるが、読者諸兄姉は超電磁砲(レールガン)というものを御存知だろうか。

最近防衛省でわっしょいわっしょいやってるアレである。

実物はyoutubeの防衛装備庁公式チャンネルを御覧いただくと早いのだが、電気の力を用いて導電性の弾丸を射出する兵器である。

ばちくそかっけぇ。

ニコ動とかを見ると古から個人で作られているのが見受けられる。ニコニコ見ようぜ!


実は、このレールガン、運用上かなりめんどくさいと言われる。

重いしデカいし邪魔だし。

電気の力を用いる以上、電池は必須であるが、電池の管理、価格、重量。どれを取ってもめんどくさい。繊細で高くて重い。

何よりも、エネルギー効率の悪さ。圧倒的金食い虫。


では、何故斯様な仕組みを用いるか。

従来の火薬砲では何が駄目なのか。

作者はド素人なので、ここからは、というかここまでも間違っているところがあるかも知れないが許して頂きたい。

火薬砲は、当然ながら火薬を用いて弾丸を射出する。

その速度、初速は火薬の爆発、爆風の速度、即ち爆速に依存する。

ここで当たり前のことを言うが、弾丸の飛距離は同じ弾丸なら初速に依存する。

つまり、速く飛ばせば遠くまで飛ぶ。


さて、"弾丸の初速" が "火薬の爆速" に依存する以上、いくら火薬を増やしたとても初速には"限界"がある。

なれば、火薬など切り捨て、この壁を突破できる"新しい方式"を採用すれば良い。

より速い初速を出せる方式、それこそが当にレールガンである。

防衛装備庁の資料曰くには、戦車砲の初速、約1750m/sに対してレールガンの初速2297m/sの実績を叩き出したそうだ。


まとめよう。

効率が悪くても、「より遠くまで」を実現できるのがレールガンだったのだ。


だがそもそも弾丸を飛ばさないなら初速とか関係ない。

飛距離に影響するのは障害物と、空気による損失くらいであるから、エネルギーをつぎ込めば注ぎ込んだだけ遠くまで。


そのアイデアを実現した結果がどうなったか。

大型トラック2台分の大掛かりな発射装置。

これをそのまま運ぶのは困難であるし、それ以上に振動に拠る影響が大きい。

故に現場で組み立て、補正する必要がある。

くそみてぇな実用性。あほみたいな威力。

彼の夢想の共通項をびったし持ち合わせたこの兵器の実戦投入。

天才では無くとも首領(にのまえ)も阿呆である。

次回、完!



補足・蛇足


わっしょいわっしょい

 研究段階で、装備化はされてないものの、かなり実用に近い(?)段階というのを書くのがめんどくさかった

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