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スキル:クズ殺しで無双出来るってどういうことですか?  作者: にのまえはじめ
三周年記念
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クズ殺し3周年記念 IF 共闘 リライト3

少し短めです。またかよ。

たまにこんな言葉を言う者が居る。

"実際この目で見ると違う"


それはカメラや映像技術が発達した現代でも、或いはそんな現代だからこそ起こる現象であるが、物理法則から異なるような異世界であっても同様に起こるらしい。


異様なまでの威圧感。緊迫感。

写真からは伝わってこないそれを、実に数十米は先からのそれを、にのまえは感じていた。


シュートルズ森林地帯。

高木の森に囲まれて、怪物の前に彼らは居た。

……仮称ナナシ、トール・ゼルド、魔王、NWC、国軍。

二柱の神と世界の半分の王と世界最大の武装組織、ついでに政府軍が一同に決し、目前の怪物と相対す。


「それで……」

ナナシがゼルドに向けて口を開いた。

「あれは一体何なんだ?」


「さぁ?何なんだろうね?」

ゼルドが応えた。


「何なんだろうねってキミ、

この世界の管理者はキミじゃぁ無いのかね。」

無責任、というか、なんというか、ゼルドのその適当な態度にナナシが反目する。


「まぁ取り敢えずぶっ殺せば良いんじゃないの?」

にのまえが口を、否、にのまえの口が開く。開かされる。

別人格。にのまえと同じ転生者であるアレイウスが、にのまえの口を借りて物を言う。


「それなら話が早くて結構。」

と言うは、国軍の主、即ち国家の主。王その人である。


数瞬。

誰からともなく駆け出した。


最初に攻撃を始めたのは仮称ナナシであった。

手から徐々に組み上がるそれは、明確にヒトの体躯に見合っていない宝飾品の様な持ち手。

自動車が数台はゆうに停められるほどの、巨大な柄。

左右対称な峰が、美しく直線を描いて伸びていく。


所謂両手剣。

誰がどう見ても体躯に見合わぬその剣を、強引にぶん回す。一目見りゃ馬鹿でも分かる圧倒的質量攻撃。確かに一部じゃ日本刀(ポントー)なんかと違って西洋剣は叩き切るもので、どちらかと言えば鈍器に近い、なんて意見を目にするが、最早でかすぎて剣の意味を為さぬ様な正真正銘 徹頭徹尾 終身名誉 鈍器。

狙うは足。どれだけデカかろうと足無しでは自立を許されない。六本のうちの一本、前右に位置する巨大な足へ、負けず劣らず巨大な剣が今当に振り抜かれんと、ナナシが構えたその時。


ドシュン、という、音の壁をぶち破る音と共に割り込んできたのは偉大なる神のもう一柱。

トール・ゼルドであった。

単純で明快な、"速度"という武器。

助走を付け、同時に創り出した装甲(ナックルガード)を纏った右の拳を大きく引き絞り、肩を引き、腰を回し……

その全身で以て最大限に振りかぶった拳を。

音速の実に数十倍の速度で。


目前の怪物の足を殴り抜く。


まるで耳に直接大砲を撃ったかの様な、爆音が轟いた。それはドゴォとかパァンとかそんな感じの音だったんじゃないかと思うが、どんな音か理解するより先に鼓膜がぶち破れたから、ただ爆音がなったことしか分からない。

シーン、とかキーン、とか、やけに五月蝿い静寂音が耳に響いていた。

圧縮された空気がプラズマとなって光を放ち、拳から十数メートル、直線上の大気がパチパチと紫電と共に爆ぜる。


攻撃動作に横入りし、周囲への配慮もなく、ただ相手(ナナシ)より優位に立ちたいがための我儘で自分本意な攻撃に対して、剣を持て余したナナシが

「協力ってもんを知らないのかいキミは。」

と苦情を飛ばしつつ、その裏で其処に居た数十名……NWCの精鋭達と国軍の騎士隊……の鼓膜を修復していく。

性懲りも無くゼルドが

「あんたより先に……」

……一本砕いた、と言おうとした時。


ギョロリ、と。

怪物の全身に並んだ三桁に上る眼球が、一斉に動く。

じゅぷり、ギョロリ、そんな音が響く。


その視線の先に立つは、当然の如くゼルドである。


「きっしょ……」とナナシ。


一方で、ゼルドに外見ほどの余裕は無かった。

あんな攻撃を放って、いかに装甲(ナックルガード)を創っていようと無事で済むはずもない。

確執のあるナナシの前であるからこそ平静を装っては居るものの、腕の一本を失い今当に修復中である。

そりゃあ、あんな攻撃ぽんぽん打てる訳が無い。


腕の修復にかかる数秒の間、反撃の手段は無く。

防御を行うならば腕の修復はできない。


攻撃はできず回復もできない。

そんな状況で、謎の動作を始める怪物と相対し内心めちゃくちゃ焦っている。


一方の怪物は、そんな心の内を知ってか知らずか、そんなことはそもそも関係なく攻撃動作を完遂すべく動いていく。

眼球がすべてグルリ、と180度反転する。

徐々に徐々に光を蓄えて、眼球周辺の空気が熱で歪む。


目からビーム。


100本以上の光束が、ゼルドを捉えんと迫る。


対するゼルドは回避行動を取り、地面を横向きに転がっていく。

どうやら追尾機能は無い様で、欠損は肩口までに留まった。


然し。

状況は明確に悪化している。

もう一発、眼球が準備を始めている。

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