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スキル:クズ殺しで無双出来るってどういうことですか?  作者: にのまえはじめ
三周年記念
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クズ殺し3周年記念 IF 共闘 リライト2

切れ目の関係で結構短めです。

腰元から黒い箱状の物体を取り出すにのまえ。

手のひら大のその物体には、正面に2つのダイヤル、液晶に似たキャラクタディスプレイ、そして小さな穴が空いており、上部に突起、右にいくつかの釦が付いている。

勘の良い読者諸兄姉の中にはもう分かった方も居るだろう。

チューニング用のダイヤル、周波数帯を表示するディスプレイ、スピーカーに合わせた小さな穴、上部にアンテナ、右には起動釦、操作釦。

詰まる所、この箱状の物体とは通信機なのである。

NWCとWINグループの共同開発……とは名ばかりで、

ほんのごく一部を除けば、WINグループのネットワークにNWCがタダ乗りする形で作られたこの通信機は、にのまえの様に"常世為らざる龍の力(チート)"を持たないWINグループが、心血を注いで作り上げた汗と涙の結晶である。


そんな苦労の結晶を、ぞんざいに取り出したにのまえは、慣れた手つきで横の釦をいくつか押すと、ダイヤルを調整する。

NWCの指揮系統の内、首領(にのまえ)の直下に位置する部隊。

王国、WINグループ、NWC、それから幾柱かの神による協定を根拠として作られたこの部隊は、

"世界のバグ"を取り除くことを目的とする。


……"世界のバグ"。

トール・ゼルドによって型為され、管理機構(システム)などという巫山戯た存在がのさばるこの箱庭世界には、我々の世界には存在しないそれが、明確な形を為して顕れる。

特徴と言える特徴といえば、それは継ぎ接ぎの化物であることが多い。

世界にある、"なにか"を集めて捏ねて切り貼りしたような、そんな怪物。


一通りの操作を終えると、にのまえは暫し逡巡した後、斯様な"怪物"と呼ぶに相応しい存在への攻撃に特化し、その中でも特に大型の存在への対処に特化した部隊……

"対大型異常生物体特化型特殊殲滅部隊伊號拾漆"

を呼び出す様に、手元の通信機に取り付けられたダイヤルをカチカチと操作し合わせていく。

因みにだが、"伊號拾漆"というのはにのまえがなんかかっこいいからという理由で着けたため、別の部隊はE-53だったり590682だったり、5-12だったりと様々である。


伊號拾漆……大型の異常生物体に対処するべく、にのまえの浪漫とNWCの資本、W.I.N.グループの技術力が結集した特殊武装を全身に纏った、滑稽で奇妙で、大型の異常生物体でさえあれば"何があろうと"ぶちのめす、まさにニーチェ曰く所の"注意しなければならないこと"を体現したような部隊。


そんな部隊は、数十秒の後、通信機を通して二言三言をにのまえ(ボス)と交わす。

それからすぐににのまえは、革のコート……生意気にも督促中の前世のにのまえであれば拝むことすら許されぬような高級で温かな上物……を羽織ると、静かにゴーグル……通信用の特殊な光を可視化できる他、サーマル、照準、そして何より遮音と眼球の保護機能等を備えたNWC謹製品……を装着し、頭上で固定する。

単純な皮の手袋を装着し、マフラー、ブーツ等の防寒具を装備する。

何れも、紐、ハーネス、ベルト諸々で縛るか、或いは金具なんかで強固に固定されている。


ガチガチの装備に反して、まるでコンビニに行ってくるようなテンションでにのまえは執務室の"窓"を開け、飛び降りた。


重力に従ってにのまえは落ちていく。

が然し。数瞬の後、ビュオオオォオオという音と共に、天空へと舞い上がっていくにのまえ。


「やっぱ寒ぃんだよなぁ空の上ってのは。」


生身で空を飛ぶ、人類の夢の一つに感慨もなくそんな感想を抜かすにのまえ。


偉大なる神の一柱として、彼は大量の空気を生み出すことにより、ジェットエンジンの様な推進力とヘリコプターの様な揚力を得ていた。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

補足・蛇足


ニーチェ曰く所の……

 "怪物を追うものは、

  自らも怪物に為らぬよう

  注意しなければならない。

  こちらが深淵を覗くとき、

  深淵もまた

  こちらを覗いているのだ。" 

  ……フリードリヒ・ニーチェ

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