クズ殺しキャラクター短編 TOLE・ELDE
「黄泉」
嗚呼、実に静かだ。
揺蕩う暗闇の中、彼は思う。
暗く暗く暗く、底冷えするような闇の中に彼は居た。
ナナシ、元気かな……?
寂しがってや居ないだろうな。
……いや、寂しがってるのは自分の方か。
もうどのくらい過ぎたのだろうか。
時間なんて分からない。
もう気が狂う程の時間居たような気もするし、僅か一時間ほどの間であったようにも思える。
此処にいると、色々なことを思い出す。
それ以外にすることがないからだ。
幼い頃の懐かしき記憶。
泣いてばかりの幼少期。
遊び疲れた少年時代。
思い出したくもない黒いノート。……ちょ、あれちゃんと処分したよな?いやマジで、大丈夫だよな?
やっべぇ心配になってきた。
……いや、もう良いか。
なんとなく分かる。
はっきりとしたものでは無いが、感覚が直接訴えかけてくる。
もう此処からは出られない。
闇が自分の躯を着実に蝕んでいる。
腕も足もとうに暗闇の物であるし、もう直に全身が呑まれるだろう。
死後の世界、って奴なんだろうな。
やり残したこと、多すぎるな。
親にも感謝なんて出来てないし、ノートの処分だって不確かだ。
ナナシはまだまだ子供だし、やんちゃなゼルドが立派な大人になれるか…少しだけ心配だ。
まだ死にたくなんて無かったなぁ……
せめて最期に、誰かに会いたい。
独りぼっちで消えてくのは、嫌だからな…………
さよなら、みんな。
最期の言葉がこれか、柄にもないな。
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