e-^+\*e:23 序まりの終焉
長め(6000文字)
「トール・ゼルド……ッ!(アレイウス)」
何かが飛来してきた方向を睨み、宙に浮遊する襲撃者の名を叫ぶ。
「アルカムィンティウスだ、忘れるな……!(襲撃者)」
襲撃者が叫び返す。
が、ナナシはそれを意にも返さずに言葉を続ける。
「キミだったのか、トール・ゼルド。
序列が欲しいのか、そんなに?
じゃあ奪って見ろよ!
ほら、一位をもぎ取れよ。
さあ、さあ、さあ!(ナナシ)」
「漸く。
漸く手に入れたんだ。(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)」
そう言って右手を横に突き出すと、その手が見る間に龍へと変化する。
その龍が裂け、7頭に分かれる。
左手も全く同じ様に変化し、右手は七大罪、左手は七美徳を冠する龍となる。
龍は絶えず触手の様に動き、尾が身体中に巻き付き皮膚と癒着している。
肉体は肥大し、全身が不定期に脈動するその形容しがたい姿は見た者に耐え難いまでの嫌悪感と吐き気を与える。
成功1d4/失敗15d6の正気度判定です。
「アイエエエ!?SANチェック!?SANチェックナンデ!?(:EKAREXE06091705)」
小説なのにSANチェックある訳ないじゃん。
クトゥルフでも無いし。
ネタだよネタ。
「なんだろう、シリアスしてる時にネタやるのやめてもらっていいですか。(:EKAREXE06091705)」
まあそれはおいといて。
「君が、ボクよりも上だと。
やってみろよ。
さあやれよ、今すぐに!(ナナシ)」
その挑発に呼応するように触手が蠢き、つい今の今まで龍の頭蓋であっただろうモノがナナシの腕を噛み千切る。
鮮血が迸り、ナナシは軽く呻き後ずさる。
しかし次の瞬間には再び立ち上がり、トール・アルカムィンティウス・ゼルドの追撃を回避する。
「NWC、包囲陣形展開!
小型核装備の使用を許可、全兵装を以て目標に集中放火せよ!(にのまえ)」
「出よ創造の龍。
ロードローラーだッ!(アレイウス)」
「ーーー創造。(ナナシ)」
チカッとノズルファイアが光り、トール・アルカムィンティウス・ゼルドを爆炎が包み込む。
その上空から無数のロードローラーが高速で降り注ぎ、爆煙を穿つ。
地面からナナシによって創造された蔦が生え、トール・アルカムィンティウス・ゼルドを拘束する。
「やったか!?(アレイウス)」
しかしそれらの攻撃はトール・アルカムィンティウス・ゼルドが腕を薙ぎ払うだけで消し飛んだ。
「ふふふふふふ……
フハハハハハハハハ!
効かぬわ!まるで!」
「なん…だと……(ナナシ)」
「こんな攻撃でやr」
ドゴォォォオオオオオオン。
そんな音がして、世界は一瞬、真紅に染まる。
地揺らし空燃ゆる、まさにそんな攻撃。
トール・アルカムィンティウス・ゼルドの上に大きなキノコ雲が立ち上る。
にのまえが、核の発射ランチャーを持っていた。
「え?(ナナシ)」
「え?(:EKAREXE06091705)」
「え?(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)」
「え?(アレス・リゼット)」
「え?(アレイウス)」
え?(さくしゃ)
「……え?(にのまえ)」
「一君、何してんの?(ナナシ)」
「師匠、KYって知ってます?(魔王)」
「何しとんねん(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)」
「あの人、俺の上司なのか………(アレス・リゼット)」
「台詞遮っちゃ駄目でしょ。(アレイウス)」
なんでこいつ台詞ぶった切ってんの?
「……え?(にのまえ)」
「「「「「はぁーー。」」」」」
盛大なため息が重なった。
しかしにのまえはめげずに攻撃を続ける。
「……NWC、自己防衛体勢に移行。(にのまえ)」
「イエッサー!(NWCs)」
NWCの面々から期待に満ちた様な、我が子を見送る親のような、そんな「イエッサー!」が響いた。
「この世界の人類の移動は?(にのまえ)」
「既にボスが作った世界へ移動済みです!(アレス・リゼット)」
にのまえが左手を宙に突き出し叫ぶ。
「天よ、魔よ。
一振りの拳で皆灰燼と帰すが良い!
神之拳!(にのまえ)」
数秒の後、(ああ、そういうお年頃なんだな・・・)などと考えていたナナシ以下一同は知ることとなる。
空より振り下ろされた、直径100mはあろうかと云う赤熱した白金色の拳。
その質量と速度だけでも、TNT換算600Mtは下らないであろう圧倒的(NWC比)破壊力。
ツァーリボンバの実に12倍ものエネルギーの奔流が吹き荒ぶ。
しかし。
「ぐ…ぁあああああ!(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)」
じゅわっ、と云う音と共に神之拳(笑)はトール・アルカムィンティウス・ゼルドに溶かされる。
「馬鹿な!?
いくら神といえど、あれを溶かすほどの熱に耐えられる筈が……(ナナシ)」
ナナシの疑問は、蒸気が晴れると共に解消された。
ダイヤモンドに包まれたトール・アルカムィンティウス・ゼルドが悠々と此方へ向かってきたからだ。
トール・アルカムィンティウス・ゼルドがパチンと指を鳴らすと、ダイヤモンドは脆い炭へと変わり崩れ去る。さらに彼は爪先で地面を蹴り上げるとそのまま宙へ浮かぶ。
「お前らに、分かるか?(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)」
「何がだよ。(にのまえ)」
「トール家の栄光が、賞賛が、序列一位が。(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)」
一カメ(左斜め前方)
「一夜にして恥曝しに、軽蔑に変わった俺の気持ちが!(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)二カメ(右斜め前方)
「お前らに!分かるか!(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)」
三カメ(正面)
「なんか伏線とか色々重要な台詞なのにネタにしてるやん(:EKAREXE06091705)」
一カメ二カメ三カメは基本ですぜ?旦那。
「知るか!(にのまえ)」
「漸く、漸くなんだ……一位を…
取り戻せるんだ……
一位を!!!!!(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)」
「だからなんだ!
序列でしか、他人からの評価でしか自分を見れないのか!(にのまえ)」
ぐう正論である。
だが、こういう状態では正論は逆効果だ。最適解は"一発ぶん殴って黙らせる"。
「糞がァァァァァアアア!!!(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)」
トール・アルカムィンティウス・ゼルドが叫ぶ。同時に、トール・アルカムィンティウス・ゼルドの腕、蠢く龍がにのまえに襲いかかる。
が、その龍がにのまえに届くことは無かった。
「余所見なんて、随分と余裕があるね。(ナナシ)」
龍は即座に仮称ナナシへと向けられた。
「残念ながらボクはあまり余裕が無くてね、手加減には期待しないでくれよ……ッと。(ナナシ)」
言いながらナナシは攻撃を弾く。
しかし。
弾かれた龍は頭の先から二つに別れ、そのうち片方がもう片方へその獰猛な牙を突き立てる。吹き出した血で、龍は作用反作用の名の下にナナシへと飛びかかった。
「随分と悪趣味な真似をするじゃないか。
矢張りキミはエル兄とは違うな。どうにも好かない。(ナナシ)」
「そりゃどうも。(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)」
言いながらナナシは龍を払いのける。そこにトール・アルカムィンティウス・ゼルドは攻撃を入れた。
迫り来るトール・アルカムィンティウス・ゼルドの攻撃を、足を使って払いのけ、ナナシは目からビームで追撃する。
「驚いたなぁ、そんな事できたのか。(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)」
軽口を叩きながら、トール・アルカムィンティウス・ゼルドはウィンクするように一度片目を閉じる。
一瞬の後、目をカッと見開きエネルギー砲を放った。即ち目からビームである。
ナナシはそれをさっと右に避けると、左手の平から波動砲を放つ。
トール・アルカムィンティウス・ゼルドはそれを龍の一部を肉壁として回避した。
「やっぱりキミはどうにも悪趣味だ。(ナナシ)」
「油断してるんじゃあ無いだろうね。(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)」
ナナシの背後から龍が迫る。それをナナシは半身を半回転させ右手を突き出し、波動砲で焼き払った。
再び半身を元に戻すと、トール・アルカムィンティウス・ゼルドは既に目前、数cmまで迫っていた。
「破壊!(ナナシ)」
ナナシが神たる力を行使する、が。
「破壊。(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)」
トール・アルカムィンティウス・ゼルドもまた同様の力を扱ってそれを相殺する。
「、創造!(ナナシ)」
が、それに気を取られたトール・アルカムィンティウス・ゼルドはナナシの創造した棒状の物体に弾き飛ばされ、二人の前には再び多少の距離が開く。
が、直ぐに二人は肉薄する。
空中でシンプルな突き、蹴り、波動砲、目からビームの応酬が繰り広げられ、やがてナナシは徐々に追い詰められ防戦一方となっていく。
「もう一寸良いとこで使うつもりだったんだけどな……仕方が無いか。
ダイアモンド・ダスト!!(ナナシ)」
ナナシが両手をクロスするように掲げ、そして大きく広げるように両腕を動作する。
瞬間、視界が白く染まる。
次いで僅かに虹に染まり、それらは一瞬にして茶、及び少量の緑に飲み込まれた。
「どうだい?極低温でエネルギーが奪われる気分は?(ナナシ)」
「チッ……クソッ、煩わしい!!(トール・アルカムィンティウス・ゼルド)」
この長ったらしい名前が煩わしいです。さくしゃ。
「自分で付けた癖に。
自業自得って知ってる?(:EKAREXE06091705)」
ユーザー辞書登録しました。さくしゃ。
「ボクら神って存在は大量生産大量消費が基本だからね。
ちょっと冷たいだけでも平均の差でそこそこのダメージを受けるのさ。(ナナシ)」
そう話している間にもトール・アルカムィンティウス・ゼルドはどんどん凍り付いていく。
トール・アルカムィンティウス・ゼルドは完全に凍り付いた。少なくとも四次元時空の傍目から見ればそうであった。
しかし。
トール・アルカムィンティウス・ゼルド、いやその周囲の空間が複雑怪奇な動きをする。空間が閉じて、開き、回転し、再び閉じる。空間の至る所がそのような動作をし、そして……
脳が受付を拒否するような、複雑怪奇な姿をしたトール・アルカムィンティウス・ゼルドが現れる。
あるいはそれを、本体と呼ぶのが正しいのやも知れない。
「そう来るよね。
さあ、第二ラウンドと行こうか。(ナナシ)」
次回予告
仮称ナナシとトール・アルカムィンティウス・ゼルドの争いは徐々に白熱し、しかしやがて少しずつ差が開いていく。
「勝てるとでも?」
「序列、本当にそれだけなのかねぇ?」
「笑いが止まらないよ。
今!この刻を待っていた!!」
「借り物の力で威張れるとは、随分面の皮が厚いね。」
「どうして、 が」
「どうして、 が」
「「此処に居るんだ?」」
次回 e-^+\*e:24 破られる拮抗
おまけ
「そういや神之拳なんていつ作ってたのさ。(ナナシ)」
「NWCが三徹でやってくれました。(にのまえ)」
「なんというジェバンニ(ナナシ)」
おまけ2
時間軸的に今よりちょっと前(訳:やっべ複線書き忘れてた、よしおまけって事にしよう)
「そういや、NWCって何やってんの?(ナナシ)」
「話せば長くなりますが……(にのまえ)」
「手短に。ダイジェストで。(ナナシ)」
「分かりました。
まず、NWCの作戦指揮系統をざっと説明します。
NWCの場合は"直結""独立""特殊"の三系統で成り立っています。
直結はその名の通り、ボスである自分から各部へと直結で繋がる指揮系統です。
主に大規模戦闘、神関係、ロマン武器などがこの系統に属します。
独立は各部が独自に進めてる系統ですね。月一で報告が来ます。
例えば、一々俺が口出しする方が効率の悪い研究部、無数にある抗争地帯、直接指揮の必要性が少ない製造部などが此処に属します。
最後に特殊は特殊です。
遊撃隊、秘匿部隊5-12、零、参、弐拾漆、対特化型特殊殲滅部隊、転生者捜索部隊なんかが此処に属しますね。(にのまえ)」
「突っ込みどころが多いんだけど……一個ずつ突っ込んでいこう。
まず、ロマン武器って何?(ナナシ)」
「ロマン武器はロマン武器です。
伝説の剣とか、大魔王の武器とか、反陽子砲とか、そういう奴です。(にのまえ)」
「なるほど。
じゃあ次、"無数にある"抗争地帯ってどういうこと?(ナナシ)」
「NWCが強い理由が主に二つありまして。
自分が神であることに由来する宗教的な結束の強さ、練度。
もう一つが、創造セシ龍帝の協力の下量産された、主にRPGによる戦力です。
まあ奪ったところで作れば良いし、どうせ扱えないんですが…………
多分いきなり台頭してきたNWCが気に食わないんでしょう。
NWCの、主に補給部隊を襲撃してくる輩が居るんです。
大抵返り討ちにされるんですが、報復が来るんですよ。それで紛争地帯が多いってわけです。
……ま、WINグループでも襲って来ない限りは大丈夫ですよ、余裕余裕。(にのまえ)」
「へーー。
そんじゃ3つ目。
秘匿部隊、対特化型特殊殲滅部隊、転生者捜索部隊、これ何?(ナナシ)」
「え?全部そのまんまですよ。
秘匿部隊は秘匿すべき部隊。
対特化型特殊殲滅部隊は、例えば人型とかに特化した特殊殲滅作戦に用いられる部隊。
転生者捜索部隊は転生者を捜索する部隊。(にのまえ)」
「転生者捜索って……そんな事してたの?(ナナシ)」
「定番じゃないですか、転生者探すのなんて。
まあ、だいたい探したんで後はWINグループ上層部にでも居ない限りは居ないでしょうね。(にのまえ)」
「そりゃ居ないよ!
キミとアレイウス、二人も居ることが既に異常なんだよ!(ナナシ)」
どうも、異常の元凶たる作者です。
「賭けます?
……僕は居ない方にコイン一枚。(にのまえ)」
そう言ってにのまえがコインを弾く。
コインはくるくると宙を舞い、ナナシの手へと落ちた。
「え、じゃあボクは強制で居る方かい。(ナナシ)」
「どっちでも良いですよ。(にのまえ)」
「ま、巡り合わせって奴だ。大事にしよう。
ボクは居る方に賭けるよ。
賭けの内容を決めようか。
キミが勝ったらコインは返すし……
そうだねぇ、時間停止一回分でどうだい?(ナナシ)」
「良いですよ。(にのまえ)」
そう言いながら、ナナシはコインを胸ポケットへしまった。
「話がそれたね。(ナナシ)」
「それましたね。(にのまえ)」
「なんの話だったっけ?(ナナシ)」
「なんの話でしたっけねぇ……(にのまえ)」
「なんだったけな…NWC関係だった気が……(ナナシ)」
「ナナシさん永遠の十代でしょ、思い出して下さいよ。(にのまえ)」
「それ言ったらキミだって……あれ、キミ何歳?(ナナシ)」
「八十五歳です。(にのまえ)」
「朝飯はもう喰ったでしょ、さっさと本当の事吐きなさい。(ナナシ)」
「なんというパワーワード。
まあいいや?……ボクはピチピチの二十代ですよ。(にのまえ)」
「え……あー、え…(ナナシ)」
「なんですかその反応。(にのまえ)」
「いや、まだ二十代なのに滅茶苦茶壮絶な半生送ってきたんだなー、と思ったら。(ナナシ)」
「ま、そうですね。(にのまえ)」
長めなので補足・蛇足
15d/6
……普通に不定の狂気になるヤバい値です。
神話生物じゃあるまいしジョークでしか許されんレベル。
作者はトール・アルカムィンティウス・ゼルドとか云う糞長ったらしい名前を付けた事を後悔している。
目 か ら ビ ー ム は 宴 会 芸 で す
視界が白く染まる:空気中の水分が昇華し個体になる。要するに雪みたいな感じ。
次いで僅かに虹に:凝結した液体酸素とかそういうのがなんかプリズムっぽいなんか働きかなんかをして虹ができた。
茶、及び少量の緑:急激な温度低下に伴う急激な気圧低下に寄り、周囲の物体が引き寄せられた。しかし、にのまえの神之拳により地面は土が剥き出しになっており、僅かに残った植物とともに吸い寄せられた。
魔術に関して
魔術は"生体エネルギー"を利用して行使します。要するに腕とか動かすのに近い物です。
にのまえが詠唱をしてるのは、掛け声に近い意味とシンプルに中二病です。
神之拳
神之拳は、静止衛星に設置された巨大な拳を、内部のスイッチを魔術で押し、また魔術で軌道修正を行って敵へと落とすNWCお手製の新作兵器です。
魔術波動識別装置を使って誰の魔術であるかを確認しているため、にのまえ以外は起動できません。




