運命の信奉者
。
それに意思があるのかは分からない。
だが、その意思を知ろうとした人物がいた。
錦路沙耶。
彼女は自らの身を以て神の証明とした。
自らの視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感全ての神経を切除。
それにより神に逢おうとしたのだ。
彼女が神の存在の可能性を感じたのは中学生の時。
シュレーディンガーの猫という思考実験を知ったときだった。
シュレーディンガーの猫とは、
猫と放射性元素のある密閉した鋼鉄の箱の中で、放射性元素の1時間あたりの原子崩壊確率を50%とし、ガイガー計数管が原子崩壊を検知すると電気的に猫が殺される仕掛けにすると、1時間経過時点における原子の状態を表す関数は
|原子の状態|=|放射線を放出した|+|放射線を放出していない|
という二つの状態の50%ずつの重ね合わせによって表される。その結果、猫の生死は、
|箱の中の状態|=|(放射線が放出されたので)猫が死んでいる|+|(放射線が放出されていないので)猫は生きている|
という50%ずつの重ね合わせの状態になる。つまり、箱の中では、箱を開けてそれを確認するまで、猫が死んでいる状態と生きている状態の重ね合わせになる。これは量子力学的にはなにもおかしなことではなくて、観測による波束の収縮の結果が相互に排他的で両立し得ない性質を持つ2つの状態の間の選択になっているだけである。もしもこれが現実を記述しているとすれば、「巨視的な観測をする場合には、明確に区別して認識される巨視的な系の諸状態は、観測がされていてもいなくても区別される」という“状態見分けの原理”と矛盾する。シュレーディンガーはこのことをもって、量子力学的記述は未完成であると主張した。(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/シュレーディンガーの猫/西暦2020年10月22日午後11時2分(日本時間)参照)
まあ要するに、
① 箱の中にぬこさまを入れる。
② 50%の確率で死ぬようにする。
③ 箱を開ける(=観測される)まで生きてっか死んでっか分かんねえ。
④ 観測されなければ生きてる状態と死んでる状態が重なってらあ!
この時、彼女はこう思った。
これは、観測者にとっての状態では無いかと。
複数に分岐した世界の一体どちらに居るかを調べる行為が観測であって、観測によって世界が分岐する訳では無いと、そう思った。
では、その世界の分岐を決めるのは何か。
世界の分岐を決める存在。
それを確信したのはそれから直ぐだった。
この物語に於いて、唯一にして絶対の秩序。
真なる神。
彼女はその存在との交信を試みた。
神が居るとすれば、その存在の目撃、証明等がなっていないのは不自然だ。
と言うことは、その"神"は形のある存在では無く、事象や空間そのものなのでは無いか。
そうなると、儀式的な方法が可能と言うことも考えられる。
この場合、"神"と直接逢うことの出来る呪文よりも、"神"の意思を知覚できるモノの方が信憑性は高い。
それに合致する呪文、陣、儀式を試したが、結局何の手掛かりも得られずこの方法は断念された。
様々な検証の末彼女が辿り着いたのは、
五感を切除する方法だった。
"神"が事象や空間そのものであれば、空間にあり、常時様々な化学反応が起きている脳にも"神"は存在するはずだ。
それによって成り立つ意識の中にも。
では何故人間は"神"の存在を知覚出来ないのか。
それは、意識内にノイズがあるからでは無いか。
そのノイズは、
五感。
視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚。
人間の得ている情報の全てを遮断した時、その意識内に存在する"神"を知覚出来るのでは無いか。
彼女は、その理論を証明せんが如く、その五感を切除した。
そして彼女が得たモノは、
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第伍章登場予定




